おうちで映画三昧のススメ 草彅剛の天才ぶりを堪能『ミッドナイトスワン』

祝・日本アカデミー賞最優秀主演男優賞&最優秀作品賞受賞! 鬼才・内田英治監督が問う「愛の形」とは?


■凪沙は母性を開花させるが…

そんな凪沙は、親に虐待されていた親戚の中学生、一果(服部樹咲)をあずかることになります。仕方なく一果との生活をはじめた凪沙でしたが、次第に情がわいてきて、一果の本当の母親になりたいと願うように。

やがて、バレエの才能を開花させていく一果のために、凪沙は自分のすべてをかけて尽くす決意をするのですが…。



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■「だれにもわからない」結末

そして迎えるエンディングは、かなり衝撃的。さまざまな意見があったそうですが、個人的には、信念をもった一人の人間の生き様を描いて、潔さが際立ったラストだと感じました。

ところで、アルゼンチンの作家、マヌエル・プイグの小説を原作にした映画『蜘蛛女のキス』(1985年)では、ラストにこんな台詞が流れます。

「彼が幸せに死んだかどうかなんて、だれにもわからない」

つまり幸福か不幸かは、人が自分の人生をかけた結果、どうなるかはその人にしかわからないということ。

おそらく『ミッドナイトスワン』の原作も手がけた内田監督は、トランスジェンダーの凪沙を通じて、信念に従って生きる方法の多様性をも伝えたかったのではないでしょうか。

自分の信念がだれかの人生を紡ぐ糧になる。草彅さんの演技もさることながら、そんな思いで本作を観てみると、絶望の中に潜む一縷の希望のように、自分の人生を静かに愛おしむ気持ちになれるはずです。

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(文/fumumu編集部・尾藤 もあ

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