現代美術家・村上隆が「もののけ」を手がけると? 8年ぶりの大規模個展で明らかに
『村上隆 もののけ 京都』が京都府京都市京セラ美術館にて9月1日(日)まで開催中。
『Miss Ko2(KoKo)』の美少女フィギュアなどの代表作で知られる村上隆さんの作品約170点が展示される『村上隆 もののけ 京都』が、京都市京セラ美術館にて行われています。
村上さんにとって本展は、国内では約8年ぶりとなる大規模個展。その魅力に迫ってみましょう。
■日本を代表する現代美術家
1962年、東京生まれの村上さんは、アニメーションに関わる仕事を夢見ていたほどのアニメ好きだったそう。ですが、入学した東京藝術大学では日本画を学び、同大学院を卒業。その後、現代美術家として活動する傍ら、カリフォルニア大学ロサンゼルス校の客員教授を務めるなど、国内外で幅広く活躍しています。
今回の『村上隆 もののけ 京都』では、江戸時代に活躍した絵師たちの作品を、村上さん独自の解釈で再構築した作品が展示されています。
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■村上式琳派のお花
例えば、《琳派のお花と抽象的図像》は、江戸時代初期に俵屋宗達(たわらやそうたつ)が開祖とされる「琳派(りんぱ)」の画風がモデルになっています。琳派は、江戸時代中期に活躍した尾形光琳(おがたこうりん)が発展させたといわれていますが、最大の特長は、計算されつくした構図。余白を大胆に使ったり、流れるように描かれたモチーフは、洗練された印象を与えます。
その琳派が村上さんの手にかかると、このようなかわいらしい雰囲気も持ち合わせた「お花」に。
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■ユーモアあふれる赤い竜
また、《雲竜赤変図《辻惟雄先生に「あなた、たまには自分で描いたらどうなの?」と嫌味を言われて腹が立って自分で描いたバージョン》》は、水墨画で有名な曾我蕭白(そがしょうはく)が描いた《雲龍図》に挑戦したもの。
「辻惟雄(つじのぶお)先生」とは、東京大学名誉教授の日本美術史学者。かつて「芸術新潮」に連載されていた記事内で、辻先生からお題として「曾我蕭白」を出された村上さんが、それに応えた作品ですが、タイトルにそのまま「辻惟雄先生に…」と入っているところに、村上さんの遊び心が見受けられます。
ほかにも、村上さん流のユーモアあふれた「もののけ」たちに、会いに行ってみてはいかがですか?
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■村上隆 もののけ 京都
期間:2月3日(土)~9月1日(日)
会場:京都市京セラ美術館
★チケット等、詳細はこちら!
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(文/fumumu編集部・尾藤 もあ)