芸人の私が1番許せないやつ… マッチングアプリで出来た彼氏のひとことにブチギレ

マッチングアプリにどハマり中のモノマネ芸人・小出真保が、アプ活で出会った人とのアレコレを吐き出します。

婚活ダイアリー アイキャチ

リアルな体験談や心境をポップに時にダークに伝えていく『全力! 女芸人小出真保の婚活ダイアリー』。

マッチングアプリで出来た彼氏、激務サラリーマンえびおくん。とても真面目で大好きな彼。なのですが、私にやたらと自己啓発本や、あっちゃん(中田敦彦さん)のYouTubeを勧めてくるのです

そんな彼に、少し反発したくなってきた私は、また余計なことを言って男のプライドを傷つけてしまうのです…。

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■お互いイライラ

えびおくんは、寝ても冷めても「成長」「成長」と言い、私と会っている時も、常に読書や、あっちゃんのYouTubeを2倍速で見ていました。「この本を読まないと1日成長した気がしない」「今日はこのYouTubeを見たから成長できた」など、自分の行動を細かくチェックしていました。

そういう年下彼氏を「きゃわ♡」と思う余裕は私にはありません。だってカップルっぽい時間があまりないからです。だんだんとイライラしてきて「それしか話題ないのかよ、つまらない男」と、心の中でつぶやいたり、あげくの果てには「ちょっと、痛いなコイツ…」なんて、可愛げがいっさいないことを感じてしまっていました。

ただ、彼のことは大好き。たくさん会いたいし、そばにいたいという気持ちはいつもあります。なので基本的には私はベタベタしていましたし、彼の部屋でゴロゴロしながら自由に暮らしていました。

そうすると、やっぱりこうなるのです。「そんなんで大丈夫?」「ネタ作りは?」「日々絶対に成長できない」など私に注意をしてきます。しかも今、えびおくんの会社は上場して激務。真横にダラダラ女がいたら士気が下がるのか「今日、何してたの? 何も頑張ってないじゃん」と、イライラしているときもありました。

お互いに別の方向でイライラしている私たち。大好きなはずなのに。不満が徐々に多くなっていたように思います。


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■私が1番大嫌いなやつ

この日は、わりと仲良しな私たちでした。私もえびおくんもご機嫌でラブラブな時間を過ごしていると、えびおくんが「まほちゃんに、ちょっと聞いてみたかったことがあったんだけど…」と、急に真顔。

「えっ! もしかして、結婚の話? きたー♡ 一緒に住む場所のこととか言われるのかも!」まだ、何も言われていないのに調子の良い日はここまで話が飛躍する私。すると、「ネタ作りって、どうやってしてるの?」という質問をしてきただけでした。

なんだ、そんなことかよ。と、思いながら、なんでそんなこと真顔で聞くんだろうと不思議に思いました。「どうやってって、うーん、思いついたらかなぁ、芸風によってやり方違うと思う」と、適当に答えると「そうなんだ、それで? それで?」と、まだ聞きたがってきます。「オーディションとかあればそれに向けて作って作家さんにダメ出しもらったり、ライブで試して直したりとかじゃない?」と言うと「わぁー、おもしろそう!」と目がキラキラ。そして「やってみたいー!」と、えびおくんは言いました。

耳を疑いました。やってみたい、だと? は? 「ちょっと作ってみようかなーと思ってて」。何この展開。私が1番大嫌いなやつじゃん、よくいるんです、スナックとかで「俺も芸人やってみようかなー、俺、そのへんの芸人よりおもしろい自信あるんだよね」とか言ってくる奴。もしそんな感じなら、私…我慢できないかも。


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■芽生える対抗心

私「そんな甘くないよ」

えびお「うん、いや、1回披露してみたいなーって」

私「どこで」

えびお「会社でさ、発表する場所とかあるときに芸人のネタっぽくやろうかなって」


は?! 会社の発表ってあの例の意識高いオンライン会議でやるってこと?! あのスベってる人たちと?! まじかよ…。私は「いや、仮におもしろいネタが出来ても、演じる能力もないとさ」と、かなり冷たくまともなことを言いました、すると、えびおくんは「わかってるよ、だからそんなにおもしろくなくていいっていうか」と、さらに「だから、地下芸人が地下ライブでやるレベル? そのくらいのおもしろさで」。

ブチッ。キレる音が聞こえました。コイツ、許さない! そこからは止まりませんでした。「舐めてんの? 実際に舞台に立ったら絶対に予想通りにはならないし、地下芸人とか言ってるけど、みんな凄いから! まず声量、やりきる力、発想、あなたが勝てるとは思いませんけど! 本当に真剣にやってるプロをバカにしないでよ!」。

高速で言いました。しかも、めちゃくちゃ熱込めて。えびおくんは、びっくりして固まり何も言えなくなっていました。しまった、ちょっと怒りすぎたかな、とは思いましたが止まりませんでした。えびおくんはすぐに謝ってきて、そういうつもりじゃなかった、ただ興味があっただけだと弁解していました。

このときから私は、彼に少し対抗心を抱くようになってしまいました。なんか、負けたくない、と。元々、私は男性に対抗してしまう癖がありました。それはえびおくんから始まっていたわけではなく、もっともっと昔からそうでした。それが、男性との交際がうまくいかない大きな理由であると、この時は知りませんでした。

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