新作ではスペイン人 インド人役でアカデミー賞受賞の英国俳優ベン・キングズレーの国際色が光る『しあわせへのまわり道』
オーバー40男優「イケオジ」のススメ:ベン・キングズレー。コスモポリタンの伝説。
年を重ねるごとに、ますますかっこよくなるイケてるおじさま、「イケオジ」出演のおすすめ作をご紹介する本企画。
今回は、『ウェルカム トゥ ダリ』の公開を記念して、同作で稀代の芸術家、サルバドール・ダリに扮しているベン・キングズレーです!
■夢と現実が混ざった世界
現在公開中の『ウェルカム トゥ ダリ』は、20世紀に活躍したスペインの芸術家、サルバドール・ダリの生涯を描く作品。
ダリは、棒のついたキャンディ『チュッパチャップス』のデザインなどでおなじみですが、1989年に84歳の生涯を閉じるまで、夢と現実が混ざったような「シュルレアリスム」の旗手として活躍しました。
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■生粋のインド人とイギリス紳士
そのダリを演じているのが、ベン・キングズレー。1943年12月31日、イングランド生まれのキングズレーは、巨匠リチャード・アッテンボロー監督の『ガンジー』(1982年)で、タイトルロールのインド独立運動の指導者マハトマ・ガンジーに扮して、アカデミー主演男優賞を受賞したレジェンド・イケオジです。
実はインド人の父とイギリス人の母を持つためか、ガンジーのようなインド人も、ダリのようなスペイン人も、生粋のイギリス紳士も(なんとロイヤル・シェイクスピア・カンパニー所属経験も!)、自在になりきれるコスモポリタンなところが最大の魅力でしょう。
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■「国際人」が導く解決法
そういう意味で、キングズレーのイチオシ出演作は、『しあわせへのまわり道』(2014年)です。
本作は、ニューヨークで暮らす人気書評家のウェンディ(パトリシア・クラークソン)が、運転を任せきりだった夫との離婚をきっかけに、自身も自動車教習を受けることになるヒューマンドラマ。その中でキングズレーは、ウェンディの自動車教習の教官となるダルワーンを演じています。
このダルワーン、インド系アメリカ人で、本業はタクシー運転手なのですが、注目していただきたいのは、その発音。シェイクスピア俳優のキングズレーが、ダルワーンとしてインド系英語を話す自然さには脱帽! じつに誠実なダルワーンが、なぜ運転手の仕事をしているのか等の背景も登場し、移民問題や「対立」について考えさせられる場面も。
コスモポリタンなキングズレー扮するダルワーンの選ぶ結末が、「非暴力、不服従」を提唱したガンジーのように、ある種一番の解決策なのかもしれません。
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(文/fumumu編集部・尾藤 もあ)