博多大吉、“津波写真撮影者”の切実な思いに「ちゃんと受け止めないと…」
キャスターの篠山輝信さんが震災12年目の被災地を訪れ防災対策庁舎が津波に飲まれる写真を撮影した人の葛藤を取材。
8日、朝の情報番組『あさイチ』(NHK)では、キャスターの篠山輝信さんが東日本大震災12年目の東北をリポート。
宮城県南三陸町の「常設展示写真館」を訪れ、葛藤の中で後世の人に伝えるためにシャッターを切った「津波写真撮影者」の言葉に耳を傾けました。
■「後世の人に誰が伝える」という使命感で撮影
街全体の6割の家屋が全半壊して800人近くが犠牲になった南三陸町を訪れた篠山さんは、道の駅で「決して忘れないためにそして後世に伝えるために『南三陸の記憶』常設展示写真館」という看板を発見。
早速訪ねたところ、避難した高台から街に津波が押し寄せる様子を撮影した写真館の代表が運営している展示場だと判明。
代表の佐藤さんは、津波に飲み込まれていく建物や人を撮影したことについて「いくら写真屋とはいえ、こんなところまで写真を撮るのか? と言われてもおかしくない場面」と葛藤があったことを告白。
しかし、「もし撮らないでいたらこれを後世の人に誰が伝えるんだ」思い直し、恐怖の中シャッターを切ったと吐露しています。
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■「シャッターを押すのも怖かった」と心境語る
大勢の人が避難している防災対策庁舎を撮影した数枚の写真からは、屋上にいた人々が犠牲になっていく様子がまざまざと伝わります。
佐藤さんは「シャッターを押すのも怖かった」「なんとも言えない葛藤、孤独感というか、罪悪感というか、使命感…」と、様々な感情が入り混じっていた撮影当時の心境を回想。
仮に自身がいなくなったとしても「皆さん何かを持ち帰って伝えてほしい」と、街で起きた災害の記憶を風化させたくないと訴えました。
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■犠牲になった職員の声を「忘れられない」
さらに篠山さんは、南三陸の伝承館を訪れ、復興の中で失われていく震災の記憶をなんとか形に残そうとしている24歳の語り部、千葉さんも取材。
小学生時代に被災した千葉さんは、避難の呼びかけをして犠牲になった職員の声を「忘れられないですね」と述べています。
博多華丸・大吉の博多大吉さんは、「語り部というとおじいちゃんおばあちゃんのイメージがすごくあったので」「24歳の若い方が心の傷も多分癒えていないこともあると思うけれど、こうやって一生懸命後世に伝えようとしているのはすごいことだなぁと思います…」と、千葉さんの思いに心を寄せています。
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■24歳の若き語り部に「すごいことだなぁ」
篠山さんは、写真館の佐藤さんの「見たくない、怖い、でも撮らなくちゃいけないんじゃないか」という葛藤にも言及。
大吉さんは、「ついつい僕らも見たり聞いたりするのは正直辛い面もあるから…」「相当な思いで伝えてくれているんで、僕らもちゃんと受け止めないと…こういう時期だけじゃなくて、と毎年思いますね」と、思いを受け止める意志を示しました。
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(文/fumumu編集部・星子)