おうちで映画三昧:「イケオジ」作品のススメ ②ブラッド・ピット
オーバー40男優「イケオジ」のススメ②ブラッド・ピット。説得力を増す、ただの苦悩と憂いの表情の違い
■演技力より容姿?
そんな「オスカー初受賞」が意外に思う方も多いかもしれません。
1963年12月18日生まれのブラピが、1991年の映画『テルマ&ルイーズ』で、専業主婦テルマ(ジーナ・デイヴィス)のセクシーな年下彼氏J.D.役を演じて知名度を上げたのは有名な話。
ですが、そのハンサムぶりから、演技力より容姿で注目されるのが、「俳優ブラッド・ピット」だったのです。
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■憂いの『アド・アストラ』
クリフ・ブースという、危険でぶっ飛んだキャラクターを演じて、オスカー俳優となったブラッド・ピットですが、個人的に「俳優ブラッド・ピット」は、憂いを帯びた表情がオスカー級だと思っています。
つまり、20代のブラピがその顔をすると、「ただのイケメンの苦悩」と化しますが、50代のブラピが憂いを帯びた表情になると、「酸いも甘いも噛みわけた人生の重みを背負い、それでもまだ不器用に生きざるをえない苦悩」になるのです。
それを堪能できるのが、2019年の『アド・アストラ』。ブラピは、主人公の宇宙飛行士、ロイ・マクブライド少佐を演じていますが、ロイは、優秀な宇宙飛行士だった父を失った過去の傷を負っているという設定。
劇中、ブラピが、「父さん!」と父親(トミー・リー・ジョーンズ)を呼ぶシーンがありますが、その一言に込められた重いの深さは説得力があり、思わず胸が締め付けられます。
50歳を過ぎて「悲願のオスカー受賞」となった「俳優ブラッド・ピット」は、年を重ねることはただの苦悩ではなく、人生を味わうチャンスだと、身をもって教えてくれるのでしょう。
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(文/fumumu編集部・尾藤 もあ)- 1
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