おうちで映画三昧のススメ:『太陽と月に背いて』に見る“愛”の複雑さ
19世紀末の詩人ランボーに扮したレオナルド・ディカプリオが、破壊的に美しい『太陽と月に背いて』に見る「愛」とは?
東京と大阪で開催されている「レインボー・リール東京(東京国際レズビアン&ゲイ映画祭)」。応援の意を込めて、おすすめしたいLGBTQ関連の映画をご紹介しています。
前回は、レオナルド・ディカプリオが、FBI初代長官こと「フーヴァー長官」役を務めた『J・エドガー』をご紹介しましたが、今回もレオつながりの作品をご紹介。
1870年代、フランスで活躍した詩人、アルチュール・ランボーにレオが扮した『太陽と月に背いて』です。
■19世紀末、実在した詩人たち
『太陽と月に背いて』は、レオナルド・ディカプリオの破壊的な美しさと、それを迎え撃つ名人デヴィッド・シューリス(『ハリー・ポッター』のルーピン先生!)の怪演が見事に調和した、アニエスカ・ホランド監督の作品。
19世紀末に名を残す、フランスの2人の詩人、アルチュール・ランボー(レオ)と、ポール・ヴェルレーヌ(デヴィッド・シューリス)の出会いから別れを追っています。
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■例えその名を知らなくとも
といっても、「ランボー」「ヴェルレーヌ」と聞いて、ピンと来る方は少ないかもしれません。
実は私自身がそうで、「世界史で習った気がする、なんかフランスの人たち」程度の認識でした(ひどい)。ただ、『ギルバート・グレイプ』で見たレオの演技のすばらしさに虜になり、「レオの出演作だから」という理由だけで本作を観たのです。
ですが、個人的にはそれが大正解でした。1870年代のフランスや、著名な詩人たちのことをよく知らなくても、「ランボー」と「ヴェルレーヌ」が惹かれあい、徹底した別離を選ぶまでの流れが、とてもスムーズに入ってきたのです。
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