マッチングアプリで見つけた“旦那さん”候補 「結婚前提」を言い過ぎた結果…
マッチングアプリにどハマり中のモノマネ芸人・小出真保が、アプ活で出会った人とのアレコレを吐き出します。
リアルな体験談や心境をポップに時にダークに伝えていく『全力! 女芸人小出真保の婚活ダイアリー』。
気づきました。”普通の人”は「もう、残っていない」。焦りだし探す毎日。アラフォーだって奇跡を起こせるはず。
1ヶ月でアプリ婚をした友人が常に男性に言っていたセリフを私にとっての婚活マニュアル本にし、オーソドックスアプリで見つけた普通の旦那さんっぽい人とデートすることが出来たのですが…。
■自分だって売れ残り
認めたくない事実にも気づきました。「自分だってそうじゃん」と。男性側だって「もうこんなのしか残ってないのか」「売れ残ってるってことは相当変わってるってことだよな」と、思われている…? これを受け入れないといけない。私は、まだイケる、イケている、だってマッチングアプリでモテたもん…! は、痛いのだろうか。何より、結果が出ていません。謙虚にいかなくてはいけない。
いよいよ「普通の旦那にはちょうどいい」と勝手に決めつけている彼が登場します。私は、奇跡を起こした友人を参考にした婚活マニュアル本を見返します。
「初回から結婚前提と言う」「年齢を考えて今年中にしたいと言う」「それが無理でしたら、ご縁がなかったということで今回で終わりと言う」これらをスマホにメモっていました。
私も奇跡をおこしてやる…!
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■「普通の旦那さん」登場
秋葉原で待ち合わせ。「青いジャケット着てます」ともらったメッセージを見ながら、それらしき人物を探します。あそこにいる、あの背の高い清潔感がある人だったら、当たりだな…近づいてきた…ってことは…。「まほさんですか?」おっしゃー! 当たりだ! ありがとうございます!
彼は非常に大人しく待ち合わせしてから、どこに行くかも決めていないようでした。私は、マニュアル通りに話すことだけに集中したかったため短めにしようとディナーではなく適当なカフェを提案しました。
カフェの席に座り、対面。さて、どのあたりからマニュアルセリフを出そうか。それしても、とても大人しい彼。緊張しているようでした。とりあえず無難に仕事の話からすることにします。
私は「お仕事は何されてるんですか?」と質問をし、「…某大手広告代理店系列のほにゃららです」と彼。歯切れの悪い感じで答える彼。系列ってなんだ?
「へー! すごいですね」。私もだいぶ適当に答えていました。毎回、相手の仕事を聞いて掘り下げるほど興味がないくせに仕事の話をするのは、もうマッチングアプリデートの定番なので仕方ありません。
彼「もう一つ仕事してて、そっちは…ほぼ食えてはいないのですが」
私「何されてるのですか?」
彼「作曲ですね、曲を作っています」
クリエイティブ系か。私の理想としては、なるべくクリエイティブ系の人でない方がいいなとは思いますが、そこは彼の自由ですので尊重します。
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■婚活マニュアルセリフ通り
ところで、もうそろそろ婚活マニュアルセリフにいこうと、私は切り出しました。「私、もう40が見えてきてて…けっこう焦ってますね」。待って。切り出しかた、さっそく失敗したかもしれません。いや、でも、強い結婚願望を伝えるには、仕方がないんだ。
「なんというか…お付き合いすることになったら、結婚前提でお願いしたいと言いますか」。彼の方を見ると、なぜかめちゃくちゃ赤面していました。真っ赤です。何で?
「そうですよね、付き合ったら…がふっがふっ!」と顔、真っ赤っかで、ドリンクでむせたりもしています。
そして私は「なので、今年中に結婚したいなと思っています」「それが無理だという感じでしたら、ご縁がなかったのかなと思ってて…」。後半セリフをたたみかけました。よし、全部言えた。婚活マニュアル本通り。さて、彼の反応は…?
「そうですよね」。顔、マグマ。心配になるほど赤い。ここまで赤くなるってどういう心理状態? すると、こう言い出しました。「まほさんなら楽しいし綺麗だし、焦らなくても大丈夫ですよ」。
そう言いながら、尋常じゃないほど照れまくってました。私にはそう見えました。これは…ハマってる?! え、もう結婚イメージしてるんじゃないの? なに、急に見つかったー、なんだなんだ、まだいるじゃん「普通の旦那さん」。そんなふうにお世辞でも褒められると私も照れてくるので、私の友人がそういう勢いでマッチングアプリですぐ結婚しまして、と、付け足しました。
すると彼は「正直、他の人にもお会いしましたけど、けっこう写真のイメージと違う人も多くて…だから、まほさんは、素敵だなと」…まずい。当たり前だけど、他の女性とも会ってる。これは取り合いだぞ。褒めてはくれてるものの、私より若くて可愛い人と会ってると思うし、この人ちょうどいいから人気ありそうだし…。やばい、これは闘いだ。ここは戦場だ。
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■婚活ってこんなもの?
男性は褒められるのが好きだというデータも入っていたため、彼の趣味や作曲に関して、たくさん聞きました。あるアーティストに曲を提供したことがあるとかなんとか。それ、ほんとかな? と、少し疑ってしまったりするのですが、とにかく褒めました。すごい! すごい! と。彼の才能を讃えました。
ひと通り盛り上がったところで、今回のデートはこの辺りで切り上げることに。正直、手応えを感じていました。
LINEを交換し、帰り道にお礼のLINEをすると、すぐ返事が来て「次、会うのも楽しみです」「次は、どこか美味しいところ行きましょう♪」など、積極的に送ってくださっています。なんだかイイ感じ。そういえば、自分が芸人であることは言い忘れていました。次回、カミングアウトしよう。大丈夫、いける。そう思った瞬間、なんだか心がモヤモヤしてきました。
「私、この彼のこと、まだ全然好きじゃない」。いやでも、これは婚活。旦那にするにはちょうどいい人を見つけている。でもなんか、引っかかる。これは贅沢な悩み? こんな風に言ってもらえることに感謝するべきだ。これでいいんだ。でも、結婚したいほど私は彼を好きになるのかな? そもそもまだ、はじまってもいないのに。私は、余計なことを考えているのだろうか。
だがしかし、こんなふうに悩む乙女心が一瞬で終了するLINEが1ヶ月後、届くのです。
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