ショーン・ビーン『オデッセイ』(2015年):「イケオジ」作品のススメ
オーバー40男優「イケオジ」のススメ:ショーン・ビーン。死なない最後。
年を重ねるごとに、ますますかっこよくなるイケてるおじさま、「イケオジ」出演のおすすめ作をご紹介する本企画。
今回は、『カラヴァッジオ』の公開を記念して、本作で主人公の画家カラヴァッジオと関係を持つ青年、ラヌッチオに扮しているショーン・ビーンです!
■バロック絵画を代表する画家と
『カラヴァッジオ』は、16世紀末~17世紀初頭に活躍したイタリアの画家、 ミケランジェロ・メリージ・ダ・カラヴァッジオの半生を、デレク・ジャーマン監督のアレンジを加えて描く1986年の作品。
ローマの道端で、絵を描いて食いつないでいたカラヴァッジオ(ナイジェル・テリー)は、ある時、彼の絵にほれ込んだ枢機卿と出会い、その庇護を受けることになります。
おかげで、絵だけで食べていけるようになったカラヴァッジオは、賭事師のラヌッチオと、その愛人レナと知り合うのですが…?
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■たくましい肉体の詐欺師
同作では、カラヴァッジオ、ラヌッチオ、レナの3人の奇妙な三角関係が展開されていくのですが、史実では、素行不良として有名だったカラヴァッジオが、ラヌッチオを殺害したとされています。
ラヌッチオは、ジャーマン監督の解釈だと、肉体美を誇る青年だったよう。そのラヌッチオを演じているのが、1959年4月17日、イギリス生まれのショーン・ビーンです。
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■壮絶な最期を迎えない安堵感
ショーン・ビーンといえば、名門王立演劇学校出身のイギリス正統派俳優。ですが、アメリカ作品では、なぜか悪役が多く、「よく死ぬ俳優」として知られています。
そんなビーンのイチオシおすすめ出演作は、2015年の『オデッセイ』。
本作は、火星の有人探査計画チームに参加した、植物学者の宇宙飛行士マーク(マット・デイモン)が主人公。ところが手違いから、マークは火星に1人取り残されてしまいます。そんなマークを救おうと、地球にいるスタッフたちは奮闘するのですが、その中でビーンは、NASAのフライトディレクター、ミッチ・ヘンダーソンを好演。
実はこのヘンダーソンを、ビーンが演じているとは、最初は気づきませんでした。なぜなら、『パトリオット・ゲーム』(1992年)、『007/ゴールデンアイ』(1995年)、『ロード・オブ・ザ・リング』(2001年)などなど、ビーンの演じていたのはもれなく悪役でしたが、ヘンダーソンは思いやりのあるものすごくいい人だから。何より、壮絶な死を遂げないビーンは、それだけでも必見です。
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(文/fumumu編集部・尾藤 もあ)