年末に向けて使わなくなった物を処分したいときに便利なフリマアプリ。便利な反面、トラブルもよく耳にします。
そこで、フリマアプリにまつわるトラブルと回避方法を解説いたします。
■フリマアプリ市場
フリマアプリとは、オンラインでフリーマーケットのように個人間での取引が出来るスマートフォン用モバイルアプリケーション全般を指します。
最大手のメルカリや、楽天傘下のラクマ、若い女性を中心としたショッピーズなどの有名サービスや、ブランド品やライブグッズ等を専門に扱うものまで、年々数を増やしてきています。
フリマアプリサービスは、出品者が設定した販売価格で購入できます。個人間取引であっても、取引の際には先払いした購入代金を一旦フリマアプリのサービス提供事業者が預かり、出品者評価などを通して商品が購入者に到着した後に、事業者から出品者に支払われるシステム(エスクローサービス)を採用しています。
そのため、見知らぬ誰かとの取引に対しての安全性が担保されていることも魅力の一つになっています。
経済産業省の昨年度の電子商取引実態調査によると、こうしたフリマアプリでの取引の市場規模は4,835億円(前年比58.4%増)。フリマアプリの登場は2012年で、わずか5年で5000億円弱の巨大市場となっており、市場にいかに勢いがあるかが分かります。
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■フリマアプリのトラブル
しかし、こうした急成長に、制度の整備が追いついていないのが実情となっています。
国民生活センターによると、昨年度の相談件数は年度途中での集計でありながら、既に前年度を14%も上回る3330件 にのぼり、5年前の2012年度に比べ、20倍近くにまで増えています。
そういったトラブルの例は、多岐にわたります。
・購入後に商品が偽物だと判明し、購入者が返品を求めるも応じてもらえない
・振り込み後、商品受取前に出品者評価を求められ、評価をしたところ商品が届かない
・フリマアプリで酒を販売した相手が未成年者だった
また、現金が出品されて問題になりました。出品された現金は、金融機関にもはやお金を貸してもらえなくなった多重債務者などが多少値の張る金額でも現金を調達したい思いから、購入されると考えられます。出品者は出資法違反に問われます。
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■トラブルにならないために
こうしたトラブルにならないために、運営会社は利用規約を細かく設定しており、出品者評価は必ず商品受取の後に行うことや、サービスを介さない直接取引の禁止、出品ができないものをあらかじめ決めておくなど、取引が円滑に進められるようにしています。
そうしたルールを守って取引をしていれば、大半のトラブルは避けられます。ただし、自分がルールを守っていても、相手がそうとは限りません。常に画面の向こうには相手がいることを想定して取引に臨むことが必要です。
個人間取引のトラブルは、原則として当事者間で解決策を探っていくことになります。しかし、当事者間で話し合っても解決しない場合もあり、誰に対してどのように請求をしていけばいいのか悩みどころでもあります。
ブランド品などの売買には、取引額が数十万円にのぼることもあり、決して被害としては小さくないでしょう。サービス運営事業者に相談しても交渉が進まない場合は、最寄りの消費生活センターに相談するか、弁護士に相談してみることをお勧めします。
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(文/レイ法律事務所・fumumu編集部)