現代美術家・村上隆が「もののけ」を手がけると? 8年ぶりの大規模個展で明らかに

『村上隆 もののけ 京都』が京都府京都市京セラ美術館にて9月1日(日)まで開催中。

『Miss Ko2(KoKo)』の美少女フィギュアなどの代表作で知られる村上隆さんの作品約170点が展示される『村上隆 もののけ 京都』が、京都市京セラ美術館にて行われています。

村上さんにとって本展は、国内では約8年ぶりとなる大規模個展。その魅力に迫ってみましょう。



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■日本を代表する現代美術家

1962年、東京生まれの村上さんは、アニメーションに関わる仕事を夢見ていたほどのアニメ好きだったそう。ですが、入学した東京藝術大学では日本画を学び、同大学院を卒業。その後、現代美術家として活動する傍ら、カリフォルニア大学ロサンゼルス校の客員教授を務めるなど、国内外で幅広く活躍しています。

今回の『村上隆 もののけ 京都』では、江戸時代に活躍した絵師たちの作品を、村上さん独自の解釈で再構築した作品が展示されています。



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■村上式琳派のお花

(村上隆 Takashi Murakami 《琳派のお花と抽象的図像》参考画像 2023年 デザインデータ 150cm Dragon data (C)2023 Takashi Murakami/Kaikai Kiki Co., Ltd. All Rights Reserved.)

例えば、《琳派のお花と抽象的図像》は、江戸時代初期に俵屋宗達(たわらやそうたつ)が開祖とされる「琳派(りんぱ)」の画風がモデルになっています。琳派は、江戸時代中期に活躍した尾形光琳(おがたこうりん)が発展させたといわれていますが、最大の特長は、計算されつくした構図。余白を大胆に使ったり、流れるように描かれたモチーフは、洗練された印象を与えます。

その琳派が村上さんの手にかかると、このようなかわいらしい雰囲気も持ち合わせた「お花」に。



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■ユーモアあふれる赤い竜

また、《雲竜赤変図《辻惟雄先生に「あなた、たまには自分で描いたらどうなの?」と嫌味を言われて腹が立って自分で描いたバージョン》》は、水墨画で有名な曾我蕭白(そがしょうはく)が描いた《雲龍図》に挑戦したもの。


(村上隆 Takashi Murakami《雲竜赤変図《辻惟雄先生に「あなた、たまには自分で描いたらどうなの?」と嫌味を言われて腹が立って自分で描いたバージョン》》 Dragon in Clouds – Red Mutation: The version I painted myself in annoyance after Professor Nobuo Tsuji told me, “Why don’t you paint something yourself for once?” 2010年 アクリル、カンヴァス 363X1800cm Acrylic on canvas 作家蔵 Collection of the Artist (C)2010 Takashi Murakami/Kaikai Kiki Co., Ltd. All Rights Reserved.)

「辻惟雄(つじのぶお)先生」とは、東京大学名誉教授の日本美術史学者。かつて「芸術新潮」に連載されていた記事内で、辻先生からお題として「曾我蕭白」を出された村上さんが、それに応えた作品ですが、タイトルにそのまま「辻惟雄先生に…」と入っているところに、村上さんの遊び心が見受けられます。

ほかにも、村上さん流のユーモアあふれた「もののけ」たちに、会いに行ってみてはいかがですか?

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■村上隆 もののけ 京都
期間:2月3日(土)~9月1日(日)
会場:京都市京セラ美術館

★チケット等、詳細はこちら

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(文/fumumu編集部・尾藤 もあ

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