『いちばんすきな花』5話 自分の裏表に悩む主人公の姿に視聴者困惑「間違った罪悪感」
自分の言動の意味は受け取った側がどう思うかがすべて。誤解されやすい人、必見の5話。
9日放送のドラマ『いちばんすきな花』(フジテレビ系)の5話「優しいふり…一番最低なのは俺だった」。
1人でいる人をほっておけない優しい人と評価されてきた紅葉(神尾楓珠)の内面コンプレックスを描いた今回。しかし、紅葉のある言動に戸惑う視聴者も多かったようです(ネタバレを含みます)。
■優しさの裏にあった罪悪感
子供の頃からひとりぼっちで遊んでいる子がいれば、自ら声を掛けに行っていた紅葉。それは成長してからも変わることはなく、高校生の時には教室でひとり絵を描いていた篠宮(葉山奨之)に話しかけ、仲良くなったこともありました。
とはいえ、誰にでもどんな時も笑顔でいるために同窓会の幹事を押し付けられたり、強引に誘われた合コンをすっぽかしてそのキャンセル料を払わされたり…と、その穏やかな性格につけ込まれることもしばしば。
そんなある日、人気画家SHINOから紅葉とコラボしたいという依頼が。夢のような話に喜びつつ、SHINOのアトリエに向かうと、そこにいたのはなんと高校時代の友人・篠宮。油絵の才能が認められ一躍有名人になった篠宮は、紅葉と何かできたらと今回のオファーをしたと言います。高校時代、目立たない存在だった自分にも優しくしてくれたことや、今でも仲良くしている友人を紹介してくれたことなど、ずっと紅葉に感謝していたと言う篠宮。
ところが、その言葉を聞いた紅葉は「お前らみたいな1人でかわいそうなやつ、余ってるやついるとありがたかった」「本当は友達なんかいなくて。目立つやつと一緒にいていいように使われてただけで。それがずっと続くのしんどいから、たまにああやって1人のやつ見つけて近付いて優しいふり、ほっとけないみたいなそういうふりして…」と、本当は篠宮を利用していたと告白。紅葉は泣きながらアトリエを後にしたのでした。
■「わざわざ言わんでいい」
このシーンを見た視聴者からはこんな声が。
「『必要な嘘はある』というよりは、相手がそれをほんとと思ってるんやったらあえて『実は違うよ』なんて言わんでいいってことなんかなと」「言わなくてもいいことだけど、言わずにはいられないことってあって、それは大概自己満だし自己中だし自己保身から生まれる言葉だけど。それでももう口から出てしまっていることってあって。難しいよね」「友達のこと利用したり利用されたりとか、友達にランク付ける(優先順位)とかよくあることだけど、それが良いか悪いかはされた側が決めればいいのかなぁ。自分の心の内にしまっておいた方がいい感情って絶対あるよね」「間違った罪悪感…」「本当に有難い存在だったからこそ、聞きたくなかったよね」などの批判的な意見が複数見られました。
ただ、中には「友達って結果オーライなもので、友達になるきっかけには多少の打算は付きものだったりする」や「自分はよく搾取されてるからこそ搾取する側に立つと罪悪感に押しつぶされそうになっちゃうの…つらい」「紅葉くんは優しいふりじゃなくて十分優しいよ 高校の時クラス替えでまた一人になってしまう篠宮くんを心配したのは優しさでしょ」といった意見も。
嫌なことをされた人の気持ちがわかるが故に、真実を話してしまった紅葉はやはり優しい人には間違いありません。紅葉の言葉は、大切な存在だった篠宮に誠実であろうとした結果。しかしながら、自分の気持ちを優先して篠宮を傷付けたことは事実でもあり、視聴者も困惑する展開となりました。
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■紅葉にとっての黒崎は…
きっと仲良くなれると思って紅葉が引き合わせた篠宮と黒崎は、大人になった今でも友人であり続けていました。そんな2人とは反対に本音を言える友人がいない紅葉でしたが、今は変わってきているようです。
自分の心の痛みを腹痛に例えて話していた際、椿(松下洸平)が言った「お腹痛いって言っても治んないけど、痛いのは変わんないけど、紅葉くんは今お腹痛いんだって分かっていたい人はいて。分かってる人がいるとちょっとだけましみたいなことはあるから」と言う言葉を受けて、紅葉はお腹が減っていると返します。
学生時代、自分が苦しんでいることを篠宮に言えなかった紅葉は、その時に何か伝えられていれば今も友人だったかもしれません。でも、今回お腹が減ったと小さなSOSを出せたことは大きな一歩。紅葉は椿たちといつか、もっと素敵な関係が築けるはずです。
次回6話は、11/16(木)22時〜放送です!
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(文/fumumu編集部・福野 エリカ)