国際ロマンス詐欺やデート商法など、相手の「恋心」を利用した犯罪が絶えない現代。巻き込まれるのは若者だけではありません。
近日、中国に住む70歳の女性が「僕たちは前世、夫婦だった」という言葉を信じ込み、家族と絶縁をしてまで相手の男性と一緒にいたいと誓ったところ、じつは全てが嘘だったという事件が発生しました。中国メディア『看看新聞』が報じています。
■恋人の名前と年齢が…
ある地域の小さなアパートに住んでいた、70歳の女性・丁(ティン)さん。彼女は賃貸契約が切れる日になっても引っ越しが出来ず、退居を拒否していました。
その後、困り果てた大家が警察に通報し、ティンさんは事情聴取を受けることになります。
ティンさんは以前、自称80歳の恋人・陳(チン)さんと恋愛関係にあり、アパートに二人で暮らしていたと供述。
ひとまず2人の身元をハッキリさせようと地元警察が調査に乗り出したところ、男性は名前、年齢、職業を偽っていたことが判明しました。
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■出会いはゴミ捨て場
2人は地域のゴミ捨て場で出会い、話しているうちに仲良くなったのだそう。
男は自身を「このゴミ捨て場を管理する人です」と称し、毎日のようにティンさんと談笑。ときには体調の心配をしたりと、とても優しかったとのこと。
そして「僕は君を18年もの間探し続けていたんだよ。僕たちは前世で夫婦だったから。来世でも夫婦になろう!」という愛の告白を受け、ティンさんは快諾。同棲するようになったと言います。
20年ほど前に夫を亡くし長らく一人で暮らしていた寂しさもあり、ティンさんはあっという間に恋に落ちてしまったのです。
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■真実を知り思わず号泣
しかし、男性の正体は64歳の無職。それどころか既にティンさんの財産を82万元(約1,700万円)ほど持ち出していました。男はその後詐欺罪で逮捕されています。
2人の交際に反対していた実の娘と縁を切ってまで一緒にいたというティンさんは、警察の前で号泣したのだそう。
「『前世では夫婦だった、来世でも一緒にいたい』と言われてとても嬉しかったのに、全部嘘だったなんて信じられない。こんなにひどい人がいるだなんて」。
この報道を受け、ネットユーザーからは「70歳になっても愛を求めていたのか」「寂しかったのかなあ」といった同情の声と同時に「明らかに嘘だとわかるような話を信じるなよ!」「この年で騙されるほうも、騙すほうにも呆れる…」など様々な意見が寄せられています。
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(文/fumumu編集部・鳳 あゆ子)