伝説のファッションデザイナー、ジャンポール・ゴルチエから学ぶ「多様性」とは?
ファッション・フリーク必見のドキュメンタリー『ジャンポール・ゴルチエのファッション狂騒劇』が9月29日公開。
自身の名を冠したブランドや、エルメスのデザイナーを務めたジャンポール・ゴルチエ。デザイナーとしては、2020年に引退を表明していますが、自身の半生をミュージカルにした『ファッション・フリーク・ショー』では、企画・脚本・演出を手がけ、その圧巻ぶりは健在です。
このミュージカル完成までの舞台裏を追ったドキュメンタリー『ジャンポール・ゴルチエのファッション狂騒劇』が9月29日より公開。ゲイを公にしているゴルチエ自身の言葉から、「多様性」について考えてみましょう。
■絢爛豪華なデザイナーの生涯
世界的ファッションデザイナーのジャンポール・ゴルチエは、1952年4月24日、フランス生まれ。両親は会計士でしたが、祖母マリーがお針子で、子どものころから洋裁の基本は身につけていたものの、ファッションに関しては独学で学んだといいます。
そのマリーや、唯一のパートナーだったフランシス、大事にしていたテディベアなど、ゴルチエ自身の人生が壮大に展開するミュージカル『ファッション・フリーク・ショー』は、まさに絢爛豪華なゴルチエそのものといえるでしょう。
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■「非常にめずらしいもの」
ミュージカルのタイトルに出てくる「フリーク(freak)」とは、もとは「非常にめずらしいもの、異常なもの」の意味を持ちます。
16世紀ごろには、身体的に特徴のある人たちを見世物にするフリークショーが流行したとされ、その中でもフリークショーの仕掛け人として有名なのは、ヒュー・ジャックマンが演じた『グレイテスト・ショーマン』(2017年)の主人公である実在の興行師、P・T・バーナムでしょう。
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■至るところに美がある理由
そこから派生して、「フリーク」は「熱狂的な愛好家」の意味として使われるようになりましたが、ゴルチエは、「だれもがフリーク」だといいます。
つまり、「非常にめずらしいもの」は、他者との「違い」であり、それは特別で、美しさであり、至るところにあるのだ、と。
『ジャンポール・ゴルチエのファッション狂騒劇』では、美を追求し、それを具現化し、多くの人を熱狂させた生きる伝説が、すべての人が持つ「違い」は「個性」であり、それは「多様性」に富むからこそ美しいのだと教えてくれるのです。
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『ジャンポール・ゴルチエのファッション狂騒劇』
9月29日(金)より、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国公開
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(文/fumumu編集部・尾藤 もあ)