ジャニーズ問題、当事者の会の発言と“要請書”に元新聞記者が指摘 「なにか利益相反が…」
「当事者の会」代理人弁護士が公開した”要請書”。そこに記載されている名前は代表・副代表の2名のみ。
16日、YouTubeチャンネル『ArcTimes』が生配信を実施。キャスターを務める元朝日新聞記者の尾形聡彦は、「ジャニーズ性加害問題当事者の会」(以下、当事者の会)の発言や、代理人弁護士が公開した「要請書」に疑問を呈しました。
【動画】「要請書」には、当事者の会の代表と副代表の名前のみ。「みなさんの了解をとっているのか」
■「当事者の会」内での意見の相違
各企業が、ジャニーズ事務所所属タレントの広告起用を見送る動きが広がっています。12日、国会内で立憲民主党のヒアリングに出席後、報道陣の取材に応じた「当事者の会」の石丸志門さんは「タレントにも人権はある。いささか性急過ぎやしないか」とコメントし、事務所の今後の対応を調査した上で「最終的に判断すべき」との考えを述べています。
元朝日新聞・サンフランシスコ支局長でArc Timesの代表取締役・尾形聡彦さんはスポンサー契約を解除することに「当然のこと」とし、石丸さんの発言には「正直、なぜなのか。なぜ、当事者の会が企業を留めようとするのか」「これは擁護と見られても仕方ない部分がある」とコメント。
これまで同チャンネルでは当事者の会のメンバーが多数出演していますが、尾形さんは「平本さんと石丸さんは『平和的に対話したい』という姿勢は維持されている。その他メンバーの多くは、我々の取材には『スポンサーが切られて当然である』と答えている」と、当事者の会内での意見の相違に「正直、大丈夫かなと。こういうのを見るとなにか利益相反がないか、と問わざるを得なくなる」と意見を述べました。
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■文書には、代表・副代表の名前のみ
そして14日には、当事者の会の代理人弁護士の事務所のホームページに「要請書」を公開。文書には「ジャニーズ性加害当事者の会 代表:平本淳也 副代表:石丸志門」、「上記代理人弁護士」として2名の弁護士の氏名が記載されています。
尾形さんは「これを見ると、弁護士たちは平本さんと石丸さんからしか依頼を受けていない」「当事者の会を名乗るのであれば、全員の委任状が必要なのが常識」と文書の不自然さを指摘し、「意見が統一されているのか、みなさんの了解をとっているのか気になるところ」と疑問を口にしました。
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■文書の内容に「疑問」
また要請書には、双方の対話、協議を開始することを要請しているほか、ここにも、所属タレントを起用した広告を取りやめる企業に対して「当面、事務所との取引を直ちに停止することを希望するものではない」と記載。
文書内には、政府が策定した「責任あるサプライチェーン等における、人権尊重のためのガイドライン」に触れ、「取引停止は、あくまで最後の手段」と言及しています。
これに尾形さんは「サプライチェーンというのは別のもの。下請け企業が人を酷使していたり、そういうものを発見したときに、きちんと是正してください、というもの」「ジャニーズ事務所はサプライチェーンではない。これを援用して『最終手段』と言っているのは疑問」と苦言を呈しました。
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