1968年のゲイ役を生きるザカリー・クイントの『ボーイズ・イン・ザ・バンド』は必見

オーバー40男優「イケオジ」のススメ:ザカリー・クイント。覚悟のカミングアウト。

(画像はザカリー・クイントInstagramより)

年を重ねるごとに、ますますかっこよくなるイケてるおじさま、「イケオジ」出演のおすすめ作をご紹介する本企画。

今回は、『ナショナル・シアター・ライブ「ベスト・オブ・エネミーズ」』の公開を記念して、同作の舞台で、政治思想家としても活躍した小説家ゴア・ヴィダルを演じているザカリー・クイントです!


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■敵対する思想

(©National Theatre)

現在公開中の『ナショナル・シアター・ライブ「ベスト・オブ・エネミーズ」』は、イギリスの国立劇場「ナショナル・シアター」で上演された舞台『ベスト・オブ・エネミーズ』を映像化した作品。

1968年の次期大統領選を控えたアメリカを舞台に、対立する政治思想を持つ2人の小説家がテレビ討論を繰り広げる様を描いています。


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■自然なジェンダーレス

ザカリー・クイント
(出典:amazon

同作は、実際に行われたテレビ討論のドキュメンタリー『ベスト・オブ・エネミーズ』をモチーフにしており、思想を戦わせる2人は、革新に反対する保守派のウィリアム・F・バックリー・Jr.と、穏健な革新を推進するリベラル派のゴア・ヴィダル。共に小説家である2人は、弁が立つ政治思想家としても活躍しています。

このリベラル派のゴア・ヴィダルに扮しているのが、1977年6月2日、アメリカ生まれのザカリー・クイント。人気SF作品『スター・トレック』シリーズの宇宙艦副長スポック役でおなじみですが、私生活ではゲイであることを公表しており、バイセクシャルとされたヴィダルをはじめ、ジェンダーレスな役もナチュラルに演じられるところが最大の魅力でしょう。


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■1968年のマイノリティ

そんなクイントのおすすめイチオシ出演作は、『ボーイズ・イン・ザ・バンド』(2020年)です。

本作は、1968年のアメリカ、ニューヨークを舞台に、ハロルドという同性愛者男性の誕生パーティーに集まった仲間たちを描く作品。パーティー参加者はほとんどが同性愛者なのですが、突如、異性愛者が1人参加することになり…?

この中で、ザカリ―が演じているのは、パーティーの主役、ハロルド。仲間たちがハロルドのために、せっせとパーティーの準備をしているにもかかわらず、ハロルドは堂々と遅れてパーティーに登場するというなかなかのマイペース。悪びれることもないハロルドは、シニカルでもあり、同性愛者にとって生きづらい時代だった当時でも、うまく折り合いをつけた人生を送っているようにも見えます。

奇しくも『ベスト・オブ・エネミーズ』の舞台も、本作と同じ1968年。


黒人公民権運動家マーティン・ルーサー・キング牧師、ロバート・F・ケネディ上院議員が相次いで暗殺された年に生きる役をザカリ―が演じているのは、セクシャルマイノリティを告白した彼の覚悟のひとつなのかもしれません。

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(文/fumumu編集部・尾藤 もあ

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