元Jr.「我々がされたことは“心の殺人”」 30分以上の取材対応も… テレビ報道は1分ほど

2時間ほどの国連のヒアリング後に取材に応じた「JSAVA」メンバー。思いを語るも各局の放送は1分。

ジャニーズ性加害問題当事者の会(JSAVA)

25日、国連のヒアリング後に取材対応をした「ジャニーズ性加害問題当事者の会(JSAVA)」の4名。30分以上にわたり質問に答え、心境を語りましたが、各テレビ局の報道番組で取り上げた時間は1分程度。

「JSAVA」副代表・石丸志門さんは、自身のブログで「残念ながら1分程度のコメントなしのニュースばかり」と心境を綴っています。

今回「fumumu」では、当日話していた内容をお伝えすることにしました。


■告発本を出した35年前「全部スルーされていました」

25日、国連人権理事会の「ビジネスと人権」作業部会からのヒアリング後、報道陣の取材に応じた「JSAVA」の石丸さん、中村一也さん、ハヤシさん、イズミさんの4名。

来月4日、国連が行う記者会見までは話せないことも多いものの、テレビ東京以外のキー局が囲む中で取材に応じました

ヒアリングは、およそ2時間にわたりヒアリングがあったことを明かし、ヒアリングが終わった感想として以下のように述べています。

石丸:「寄り添って真摯に重大問題として受け取ってくれた実感はありました」


中村:「真摯に対応していただきました」


ハヤシ:「35年前に平本代表と告発本を書いて、その時は2社の週刊誌に載っただけで、メディアの方は誰も来られませんでした。全部スルーされていましたが、今日このように集まっていただき感謝しております。これが35年前でしたら、被害が相当少なく済んだと思っております。ご協力よろしくお願いいたします」


イズミ:「(ヒアリングでは)心から聞いてくださって、こちらもちょっとウルっとしてしまいました」


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■「いち芸能事務所の問題ではなく、日本の社会問題」

ハヤシさんが言ったように、これまで“全部スルー”だったメディアの対応に対して、石丸さんは「今日のようにお集まりいただけていたら、少なくとも35年間分の後輩たちは、被害を受けずに済んだと思っております」とマスコミへの責任を問い、「この問題はいち芸能事務所の問題ではなく、日本の社会問題であるわけです。ジャニー喜多川が存命でないから、という理由でこの問題を解決に導かないという答えはあり得ないと考えております」と伝えます。

また、ジャニーズ事務所に対しては「記者会見で、ジャニー喜多川の加害があったことを認め、その上で全被害者を救済する行動にうつってもらうということを深く願っております」と心境を語りました。


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■「我々がされたことは“心の殺人”」

さらに、政府に対しての意見を聞かれた石丸さんは「なにか物を申し上げる立場ではございません」としながらも、「有権者の皆さまが『政治が動く問題』だと捉えてくださったときに、議員の方々は無視できないと考えております。逆に政府がまだ動いていないのは『この問題は政治を動かすレベルではない』と認識している表れではないかと考えております」とコメント。

つづけて「小さな意見が大きなうねりとなって、国際的な観点から見ても『おかしいこと』だと、一般世論が声をあげれば、未来は変わっていくと期待をしております」と切実な願いを口にします。

最後に石丸さんは「『ジャニーズ性加害問題当事者の会』での活動を一歩一歩進めるしか、解決策はないと思っています。我々がされたことは“心の殺人”だと思っています。心の殺人罪を問うていきたいと思っています」と語りました。


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■編集後記

ここからは、ヒアリング後の取材に参加した者からの視点になります。

取材に応じる際に石丸さんは、集まった取材陣に対して「順番に一問ずつ、真摯にお答えしていきます」と伝えましたが、テレビカメラクルーひとりが手を挙げ「テレビから代表して」と質問を投げたこと、番組キャスターはおらずカメラと音声のスタッフだけだったこと、計35分近く語っていますが、15分ほどでテレビカメラクルーが「みなさんのご迷惑になるので、テレビの取材はここまでで」と打ち切ったこと、この時の映像は各局でストレートニュースとして1分程度の紹介だったことに、愕然としました。

石丸さんは、27日に更新したブログでは「テレビ報道に期待していましたが、残念ながら1分程度のコメントなしのニュースばかり。それでもないよりマシでしょうか」と綴っています。

テレビ局は「とりあえず行っておくか」「とりあえず映像をおさえておくか」という“アリバイ作り”ではないと信じながらも、今回テレビでは紹介していなかった「JSAVA」メンバー4名の言葉を、抜粋しながらですが掲載させていただくことにしました。

・合わせて読みたい→元Jr.いまだ報道の少ないテレビ局に「そもそも社会問題として認識していらっしゃるのか」

(文/fumumu編集部・長谷川 瞳

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