卒業写真は、思い出に残る大切なもの。中国では、ちょっとユニークすぎる卒業写真が学生のなかで流行っているようです。
『CNN』など海外メディアが報じ、注目を集めています。
■ガウンを着たまま、うつ伏せで撮影
中国では、大学院を卒業する学生たちが「死んでいるような姿」で写真を撮影し、SNSへアップすることがちょっとしたブームとなっています。
ある卒業生は、式用のガウンを着たまま、タッセルが着いた帽子を脇に置き、地面にうつ伏せになり寝そべった姿で撮影…。
またほかの写真では、ベンチに倒れ込む姿が映し出され、それはまるで「死んでいる」かのよう。
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■卒業後の厳しい現状が背景に
学生にとってこれらの写真は全て“卒業写真”で、テーマは「生きているというより、死んでいる」。
撮影した学生の身体には、とくに異常があるわけでもなく、この「死んでいる」テーマに基づいた姿で撮影しているといいます。
なぜ学生たちはこのようなテーマで撮影するのか? その理由は卒業した学生を待ち受ける中国社会の厳しい現実にあります。
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■若者の失業率は高水準、経済は打撃続き
今夏の中国では(現地の卒業時期は6~7月)、過去最高となる1千万人超えの学生が就職市場に参入することが見込まれています。
しかし都市部における若者の失業率は、5月時点で20.8%に昇るなど、記録的な水準にあるのが現状。新たな求職者の流入により、競争は激化するばかりと見られています。
また政府による「ゼロコロナ政策」などにより経済は打撃を受け、最も影響を受けたといわれる「テクノロジーと教育」は、通常ならば大量の卒業生を受け入れる分野。就職への影響は避けられないと言えます。
このブラックユーモアあふれる卒業写真は、博士課程を取得したとしても、就職が保証されるわけでもない「学生の現状」を皮肉たっぷりにあわらしたものなのです。
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■採用担当者が「大量の履歴書を破棄」
実際にこの「死んでいる」スタイルの写真を投稿した、卒業生のリー・ニアンさんは、卒業後すぐに就職する予定だったひとり。
しかし大量の履歴書を提出したのにも関わらず、採用担当者の誰ひとりからも、返事がなかったそう。
ある就職説明会では、担当者が「大量の履歴書を破棄する瞬間を見た」と語るリーさん。「現状は決して人手不足ではない」と見解を示します。
現在、彼女は海外で博士研究員の道に進むことを予定しており、国際的な経験を身に着けたうえで、再び母国での就職活動にのぞむことを考えているといいます。
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(文/fumumu編集部・黒木 ゆず)