新作では“究極の選択を迫られる”ひとりを演じるジョナサン・グロフ 『アナと雪の女王』では圧倒的な歌声を披露
アンダー40俳優「イケメン」のススメ:ジョナサン・グロフ。山男の歌を聴け。
年を重ねるごとに、ますますかっこよくなるイケてるおじさま「イケオジ」になるのが確実の、イケメン俳優出演のおすすめ作をご紹介する本企画。
今回は、『ノック 終末の訪問者』の公開を記念して、同作で養女の父エリック役を務めているジョナサン・グロフです!
■世界の終わりか、家族の犠牲か
現在公開中の『ノック 終末の訪問者』は、アメリカのホラー作家協会が主催するブラム・ストーカー賞の受賞経験があるポール・トレンブレイの小説を原作に、M・ナイト・シャマラン監督が実写化したスリラー。
物語は、ゲイのカップル、エリックとアンドリュー、養女のウェン、この家族3人が山小屋で休日をすごしているところからスタート。するとそこへ、突如謎の4人が現れ、家族のだれか1人が犠牲になれば、世界の終末を止められると、3人に選択を迫るのですが…?
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■ドイツ少年の役でトニー賞ノミネート
この究極の選択を迫られる家族の中で、エリックを演じているのが、1985年3月26日、アメリカ生まれのジョナサン・グロフ。最近では、2021年の『マトリックス レザレクションズ』で、電脳空間「マトリックス」内の治安を守るエージェント・スミス役で知られていますが、元は、2007年に、トニー賞主演男優賞にノミネートされたほど、歌って踊って演技もできる器用なタイプなのです。
グロフがトニー賞にノミネートされた作品は、トニー賞8部門を受賞した『春のめざめ』というミュージカルですが、個人的に、この作品が好きすぎて、全ナンバーを歌えるほどサウンドトラックを聴きこんでいたので、主人公の少年メルヒオール・ガボールを演じたグロフの歌声は、聴けばすぐにわかるようになっていました。
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■舞台出身の圧倒的な歌唱力
そして、2013年のミュージカルアニメーション『アナと雪の女王』を観た時の衝撃といったら…。
体格のいい山男のクリストフの声が、どう聴いても、ジョナサン・グロフなのです。
『春のめざめ』のメルヒオールは、19世紀末のドイツに生きる10代の少年なので、まさに線の細い「少年」のイメージだったグロフが、アニメとはいえ、大柄な男性になっている…。
鑑賞後、クリストフ役の声優をあわてて調べると、私の鍛え抜かれた耳(?)は正しかったようです。プライベートでゲイであることを公表しているグロフが、エリックのようなゲイ役を演じるのは、ジェンダー問題にからんで、今後も増えるように願いますが、舞台を主戦場にしてきたグロフの真骨頂は、やはりクリストフのような歌で発揮されている気がするのです。
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(文/fumumu編集部・尾藤 もあ)