お騒がせ俳優クリスチャン・スレイター 悪者か善人か、観る者に判断を委ねる実力は『キングコブラ』で炸裂

オーバー40男優「イケオジ」のススメ:クリスチャン・スレイター。トラブルとリアル。

クリスチャン・スレイター
(引用:IMDb.com, Inc)

年を重ねるごとに、ますますかっこよくなるイケてるおじさま、「イケオジ」出演のおすすめ作をご紹介する本企画。

今回は、『アレックスとチュパ』の公開を記念して、同作で悪だくみをする科学者クインに扮しているクリスチャン・スレイターです!


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■伝説の生物をめぐる冒険

クリスチャン・スレイター
(引用:IMDb.com, Inc)

現在公開中の『アレックスとチュパ』は、メキシコを舞台に、少年アレックス(エヴァン・ウィッテン)と、主に南米で多く確認されるという伝説の生物「チュパカブラ」こと「チュパ」の絆を描くファンタジー。

以前もご紹介したヒスパニック系代表イケオジのデミアン・ビチルが、アレックスのおじいちゃん役で登場しています。


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■子役仕込みの実力派でも…

クリスチャン・スレイター
(引用:IMDb.com, Inc)

この「チュパカブラ」、スペイン語で「ヤギ(の血)を吸う」の意味を持つモンスターですが、その力を利用しようと企む悪い大人、科学者クインが登場します。はたしてアレックスは、クインの魔の手から「チュパ」を守れるのでしょうか?

このクインを演じているのが、1969年8月18日、アメリカ生まれのクリスチャン・スレイター。7歳から子役として活躍しているだけあって、俳優としての実力は抜群。ですが、プライベートでは、何度か逮捕されたりするなどのトラブルメーカーとして知られています。


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■プライベートの印象が重なると

クリスチャン・スレイター
(引用:IMDb.com, Inc)

そうした意味で、スレイターがクインのような悪役や犯罪者を演じると、演技のうまさとプライベートのイメージが重なって、まるでその役の人物が存在するかのように見えるのがすごいところ。

そんなスレイターが、悪人なのか、実は救世主なのか、観る者の立場によって変わる実在の人物を演じた『キングコブラ』(2016年)が衝撃的でした。

本作は、ゲイポルノ俳優のブレント・コリガンをめぐって、2007年に起きた実際の殺人事件を題材にしています。

コリガンは、ゲイポルノ製作会社「コブラ社」のプロデューサー、ブライアン・コーシスに見出され、ゲイポルノ映画に出演するのですが、実は当時未成年だったのが発覚し、後にコーシスと裁判で争うことになります。さらに2007年には、コーシスが自宅で殺害されているのが発見され、犯人は、ブレントの出演を狙ったコブラ社のライバル会社プロデューサーだったといわれています。


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■真のトラブルメーカーとは?

クリスチャン・スレイター
(引用:IMDb.com, Inc)

事件当時、個人的には、コーシスをひどい悪人だと思っていました。未成年の男の子を食い物にするクズのイメージしかなかったのですが、本作でスレイター演じるコーシスが、あまりにもいい人すぎて度肝を抜かれたのです。

途方に暮れて困っている男の子に手を差し伸べる、やさしい常識のある大人として描かれており、その後、殺されてしまう運命を思うと、気の毒としか思えないキャラクターにできあがっているのです。

本作に関して、当のブレントは、事実と違うと反論しているそうですが、はたしてスレイター扮するブライアン・コーシスという実在した人物は、真のトラブルメーカーだったのでしょうか、それとも?

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(文/fumumu編集部・尾藤 もあ

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