新作では“スピルバーグ監督の父親”演じるポール・ダノのイチオシ作品:『スイス・アーミー・マン』
アンダー40俳優「イケメン」のススメ:ポール・ダノ。複雑な内面の怪演。
年を重ねるごとに、ますますかっこよくなるイケてるおじさま「イケオジ」になるのが確実の、イケメン俳優出演のおすすめ作をご紹介する本企画。
今回は、『フェイブルマンズ』の公開を記念して、本作の主人公、映画好き少年サミー・フェイブルマンの父バートに扮しているポール・ダノです!
■映画監督の子ども時代を反映
現在公開中の『フェイブルマンズ』は、名匠スティーヴン・スピルバーグ監督が、自身の子ども時代を反映させた作品。
以前ご紹介しましたが、主人公の少年サミーは、スピルバーグ監督自身がモデルとされており、映画に魅せられたサミーの人生を活写しています。
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■古き良き時代の父親像
同作で、サミーの父バートは、スピルバーグ監督の父親で、電気技師だったアーノルドがモデル。バートは電気事業社に勤め、妻ミッツィ(ミシェル・ウィリアムズ)との間にサミーをもうけた、古き良き時代の典型的な「良き父」でもありました。
ですが、息子が映画製作に情熱をかける様子がうれしい反面、素直に応援できないもどかしさを抱えているのです。
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■自殺未遂から死体救助の複雑さ
そんな複雑な内面を持った父を演じているのが、ポール・ダノ。1984年6月19日、アメリカ生まれのダノは、12歳でブロードウェイの舞台デビューを果たした筋金入りの名子役出身。当然、どんな役でもお手のものですが、やはり複雑さを抱えた難役に扮すると、その際立つ演技力が光るように見えます。
そういう意味で、ダノのイチオシおすすめ出演作は、2016年の『スイス・アーミー・マン』。
本作は、遭難して無人島にたどり着いた、ダノ扮する青年ハンクが、そこで出会った死体メニー(ダニエル・ラドクリフ)を使って(?)、脱出を図るヒューマンドラマです。
と書くと、おもしろアドベンチャー物語のようですが、実は冒頭、遭難したハンクは、孤独感に耐え切れず、自殺しようとしていたのでした。そのハンクが死体を助け、故郷に帰ろうとするプロセスは、奇想天外な設定の中に、さらりと生と死の真実が織り交ぜられています。その中心となるハンクは、まさに複雑すぎる難役。ダノの怪演に注目です。
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(文/fumumu編集部・尾藤 もあ)