ポール・ラッド『ウォールフラワー』(2012年):「イケオジ」作品のススメ
オーバー40男優「イケオジ」のススメ:ポール・ラッド。笑いの本質を見抜く。
年を重ねるごとに、ますますかっこよくなるイケてるおじさま、「イケオジ」出演のおすすめ作をご紹介する本企画。
今回は、『アントマン&ワスプ:クアントマニア』の公開を記念して、同作の主人公、スーパーヒーローのアントマンに扮しているポール・ラッドです!
■元泥棒のスーパーヒーロー
現在公開中の『アントマン&ワスプ:クアントマニア』は、マーベルコミックのスーパーヒーロー「アントマン」の活躍を描く実写版。「アントマン」はその名のとおり、蟻のように小さくなるスーツを着たヒーローで、「中の人」ことスコット・ラングは、元エンジニアの泥棒という設定。
ヒーローといえば、「正義の味方」ですが、このラングことアントマンは、前科者出身の異色のキャラクターです。
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■コメディ系イケオジ代表格
その変わり種ヒーローを演じているのが、1969年4月6日、アメリカ生まれのポール・ラッド。
系統としては、ウィル・フェレル、スティーヴ・カレルらと共演した『俺たちニュースキャスター』(2004年)のように、コメディ色の濃いイケオジの1人です。そういう意味で、元泥棒のスーパーヒーロー役は、なかなか板についているといってもいいでしょう。
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■預言者的な深み
ですが、ラッドのイチオシおすすめ出演作は、2012年の『ウォールフラワー』です。
タイトルの「ウォールフラワー」は「壁の花」、つまりパーティーなどでもずっと1人で壁ぎわにいるような「はみ出し者」のこと。
そんな「はみ出し者」である、心に傷を抱えた主人公の高校生チャーリー(ローガン・ラーマン)が、パトリック(エズラ・ミラー)とサム(エマ・ワトソン)という兄妹と出会って変わっていく過程を描く青春ドラマです。
この中で、ラッドは、国語教師のアンダーソン先生を好演。「はみ出し者」のチャーリーの文才をいち早く見抜いた恩師です。コメディ色の濃いラッドが、チャーリー本人も気づかなかった才能を見出す、ある意味預言者的で光を指し示す役を、深みのある演技で魅せてくれます。それはおそらく、笑いの本質にある真実を見い出すのに長けたラッドだからこそなのでしょう。
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(文/fumumu編集部・尾藤 もあ)