アントニオ・バンデラス『ペイン・アンド・グローリー』(2019年):「イケオジ」作品のススメ
オーバー40男優「イケオジ」のススメ:アントニオ・バンデラス。過去からのセクシー。
年を重ねるごとに、ますますかっこよくなるイケてるおじさま、「イケオジ」出演のおすすめ作をご紹介する本企画。
今回は、『コードネーム:バンシー』の公開を記念して、本作で暗殺者に扮しているアントニオ・バンデラスです!
■声で死を予告する暗殺者
1月13日公開の『コードネーム:バンシー(原題:Code Name Banshee)』は、暗殺者たちの壮絶な戦いを描くアクション。
タイトルにある「バンシー」とは、声で死を告げる妖精で、女性の姿をしているといわれています。
この「死神」のコードネームで暗躍した元CIAの暗殺者、デライラ(ジェイミー・キング)は、スパイ反逆罪の容疑をかけられたまま、無念の死を遂げた父の真相を明らかにするため、暗殺の師匠だったケレイブを捜すのですが…?
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■スペインのレジェンド・イケオジ
そのケレイブを演じているのが、1960年8月10日、スペイン生まれのアントニオ・バンデラス。
1992年にハリウッドデビューして以来、このケレイブのような、アクションをこなすタフガイに扮することが多い印象のレジェンド・イケオジです。
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■セクシー・イケオジのルーツ
そういう意味で、バンデラスが復讐に燃える男を演じて、ラテン系セクシータフガイの代表格としてブレイクした『デスペラード』(1995年)が、セクシーイケオジのルーツとして押さえておきたいところ。
ですが、今回のバンデラスのイチオシおすすめ出演作は、『ペイン・アンド・グローリー』(2019年)です。
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■前を向いてこそ生まれるもの
『ペイン・アンド・グローリー』は、監督、脚本を務めたスペインの巨匠、ペドロ・アルモドバルの自伝的要素が含まれており、バンデラスは、アルモドバル監督をモデルにしたとされる主人公のサルバドール・マヨに扮しています。
映画監督として世界的に活躍していたサルバドールですが、体の不調などから、心身ともに疲れ、ほぼ引退したような生活を送っていました。そんな中、32年前に撮った作品のリバイバル上映の話が舞い込み、過去を振り返ることになります。
正直、本作では、タフなバンデラスは一切見当たりません。人生に疲れ、痛みを紛らわすだけの無気力なサルバドールですが、その気だるさから漂うセクシーさは健在です。
それはおそらく、過去を振り返ることは、後ろ向きだとされるケースが多い中、本作では、過去が無気力な現在を救う手助けになっているからでしょう。つまりセクシーさとは、前を向いて生きる気力があってこそ、漂うからなのです。
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(文/fumumu編集部・尾藤 もあ)