ジェイソン・クラーク『華麗なるギャツビー』(2013年):「イケオジ」作品のススメ
オーバー40男優「イケオジ」のススメ:ジェイソン・クラーク。牧歌的な悪役。
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年を重ねるごとに、ますますかっこよくなるイケてるおじさま、「イケオジ」出演のおすすめ作をご紹介する本企画。
今回は、『ブラック・サイト 危険区域』の公開を記念して、本作で「悪魔」と呼ばれるテロリスト、ハチェット役を務めているジェイソン・クラークです!
■舞台は秘密軍事基地
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『ブラック・サイト 危険区域』のタイトルにある「ブラック・サイト」とは、アメリカが有する秘密軍事施設のこと。アメリカ以外の国にあり、テロ容疑者に対して苛烈な尋問をする場所といわれています。
1月6日公開の『ブラック・サイト 危険区域』の主人公は、ヨルダンにある「ブラック・サイト」へ赴任したCIA情報分析官アビー・トレント(ミシェル・モナハン)。
アビーがそこに志願したのは、イスタンブールで起きた病院爆破テロ事件を捜査するためでした。
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■「悪魔」の凶悪テロリスト
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実はアビーの家族は、そのテロ事件に巻き込まれて亡くなっていたのです。
この事件の首謀者とされるのが、テロリストのハチェット。「悪魔」と呼ばれるほど凶悪な人物として知られていました。
そんな中、ついにハチェットの身柄が確保され、アビーのいる「ブラック・サイト」に移送されるという情報が入ってきたのですが…?
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■悪人に見えない「悪役」
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このハチェットを演じているのが、ジェイソン・クラーク。1969年7月17日、羊の国のオーストラリア生まれのせいか、一見、牧歌的なイメージですが、これまで出演してきた作品は、ハチェットのような容疑者や犯人などの「悪役」がメインです。
おそらく、悪人に見えない外見とのギャップが最大の魅力なのでしょう。
それが一番堪能できるのが、2013年の『華麗なるギャツビー』です。
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■同情を禁じ得ない最期
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ただ一口に「悪役」といっても、正義と敵対する憎々しい「悪役」もあれば、期せずして、次第に追いつめられてしまった結果、罪を犯してしまうような「悪役」もいます。
ハチェットの場合、「悪魔」の異名を持つほどの「悪役」ですから、おそらく同情の余地はないと思われますが、『華麗なるギャツビー』でクラークが演じるジョージ・ウィルソンは、大いなる同情を禁じ得ません。
物語では、このジョージがキーパーソンになるのですが、クラークが本来持つ牧歌的なイメージから、結果として「悪人」になってしまうプロセスは圧巻。彼の最期までを見届けた時、「ほかに方法はなかったのか」と思わず考えてしまうほど、見事な有終の美を飾っています。
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(文/fumumu編集部・尾藤 もあ)