イ・ビョンホンが娘を持つ父親役に 『非常宣言』から考える命の使いかた
イ・ビョンホン演じる父が娘と乗った飛行機でウイルステロが発生。その恐怖を描く『非常宣言』が1月6日公開。
ドラマ「イカゲーム」のイ・ビョンホンが、高所恐怖症の父親パク・ジェヒョク役を、『パラサイト 半地下の家族』で半地下のアパートに暮らす家族の父役で知られるソン・ガンホが、刑事ク・イノ役を務める『非常宣言』が、1月6日から公開になります。
飛行機内で起こったウイルステロの恐怖を活写する本作は、ただのパニック映画ではなく、観客に人間らしさとは何かを突き付ける、重厚な人間ドラマでもあります。その魅力を探ってみましょう。
■航空運行の戒厳令
『非常宣言』とは、危機に直面した飛行機が、通常飛行できない状態になった時、パイロットが不時着を要請する宣言のこと。
「非常宣言」が布告された航空機は、どの航空機よりも優先的に着陸できるため、航空運行の戒厳令に当たるほどの絶対的な効力があるとされています。
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■ハワイ行きの飛行機で起こる事件
1月6日公開の『非常宣言』では、この「非常宣言」についての解説からスタート。つまり舞台は、「飛行機」になるのです。
その飛行機は、ハワイ行きKI501便。イ・ビョンホン扮するジェヒョクとその娘、ソン・ガンホ演じるイノの妻が、偶然乗り合わせています。
ところが、離陸後間もないKI501便内で、異変が。なぜか次々と乗客が亡くなっていくのです。
そのころ地上では、飛行機へのウイルステロの犯行予告動画がアップされ、捜査を始めたイノは、その飛行機が妻の乗るKI501便だと気づくのですが…?
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■ウイルステロに対峙した時
ウイルステロに襲われる飛行機というテーマを扱った本作は、くしくもコロナ禍にある私たちの現実と近い状態であるといえます。
実際にウイルスに感染した者、遠く離れた家族が感染した者、画面上の人々は、まさに現実の私たちにどんな選択をするのかをリアルに問いかけます。
ウイルスに感染し、命の危険にさらされた時、私たちは、自身と他者の命をどう扱うべきなのか。
絶対的効力を持つはずの「非常宣言」でさえも、介入できない命の扱い方は、観客1人ひとりに委ねられているのです。
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(文/fumumu編集部・尾藤 もあ)