ジョシュ・ブローリン『ミルク』(2008年):「イケオジ」作品のススメ
オーバー40男優「イケオジ」のススメ:ジョシュ・ブローリン。絶妙に違う名演技。
年を重ねるごとに、ますますかっこよくなるイケてるおじさま、「イケオジ」出演のおすすめ作をご紹介する本企画。
今回は、『フラッグ・デイ 父を想う日』の12月23日公開を記念して、本作で父親が犯罪者だったと知る女性ジェニファーの伯父、ベックを演じているジョシュ・ブローリンです!
■犯罪者の父を持つ娘の実話
ジャーナリストのジェニファー・ボーゲルが、2004年に発表した回顧録を映画化した『フラッグ・デイ 父を想う日』。自分の父が、偽札事件の犯人だと知ってなお、父への愛を注ぐ主人公ジェニファーの姿が印象的なヒューマンドラマです。
同作は、監督と主演を務めたショーン・ペンが父親ジョンを、娘のジェニファーを、ショーン・ペンの実の娘、ディラン・ペンが演じています。
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■名優同士が義理の兄弟を演じると
その中で、ジェニファーの伯父ベックに扮しているのが、ジョシュ・ブローリン。ベックはジェニファーの母親の兄で、ジョンにとっては義理の兄にあたります。自分の妹に苦労をかけている義理の弟と、ジェニファーとその弟のニックを引き合わせる役割を果たします。
ベックからしたら、ジョンは妹を大事にしないろくでなしでしょうが、姪と甥のことを考えると、無下にできないのかもしれません。ショーン・ペン演じるジョンと対峙する時、その複雑な表情を見せるジョシュ・ブローリンの演技に注目です。
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■ライバル同士の政治家役との違い
そんな1968年2月12日、アメリカ生まれのジョシュ・ブローリンのイチオシおすすめ作は、『ミルク』(2008年)。
本作は以前ご紹介している作品なのですが、ぜひ『フラッグ・デイ 父を想う日』と比較して観ていただきたいのが、ブローリンの演技の違いです。
『ミルク』は、同性愛者であることを公表した政治家ハーヴェイ・ミルクが、同じく政治家のダン・ホワイトの凶弾に倒れるまでを描いた作品ですが、ミルクをショーン・ペン、ホワイトをブローリンが務めているからです。
ホワイトは、政治家として、世の中をよくしたいという、ミルクと同じ志を持った同志だったはずですが、それが次第にミルクへの憎しみ、殺意へと変化していきます。その違いを絶妙に表現するブローリンの演技は圧巻。義理の兄弟と、ライバルを演じる名演の違いに、うなること間違いなしです。
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(文/fumumu編集部・尾藤 もあ)