ウィル・スミス『バッドボーイズ フォー・ライフ』(2020年):「イケオジ」作品のススメ
オーバー40男優「イケオジ」のススメ:ウィル・スミス。情熱の取り扱い方。
年を重ねるごとに、ますますかっこよくなるイケてるおじさま、「イケオジ」出演のおすすめ作をご紹介する本企画。
今回は、『自由への道』の公開を記念して、本作の主人公、自由を求める奴隷のピーターを演じているウィル・スミスです!
■自由を求めて目指すのは
1968年9月25日、アメリカ生まれのウィル・スミスといえば、2022年のアカデミー賞授賞式で、司会のクリス・ロックを平手打ちした事件で話題に。結果、スミスは映画芸術科学アカデミーを退会し、今後10年間、アカデミー関連のイベント出席が禁止になったといわれています。
そうした苦境の中、公開となった『自由への道』は、スミスがプロデューサーにも名を連ねている意欲作。南北戦争中のアメリカを舞台に、スミス扮する奴隷のピーターが、自由を求めてアメリカ北部を目指す姿を描いています。
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■暴力をめぐる冒険
『自由への道』で、暴力に屈せざるをえない環境から、命がけで逃げる役柄を演じているスミスが、自ら公衆の面前で暴力を振るってしまったのは皮肉な話です。
このスミスの起こした事件には、いろいろな意見がありますが、もともとスミスはラッパーとして活動していたこともあり、好戦的なタイプでもあるのでしょう。
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■情熱は人生にとって正義なのか
「暴力」はどんな場面でも容認されるべきではありませんが、それがフィクションの場合は別です。
スミスが好戦的なキャラクターを生かし、「暴力」が「正義」として一番美しく容認されるのは、『バッドボーイズ フォー・ライフ』(2020年)で、一つの完成を見たといえるでしょう。
マイアミ署の刑事、マーカス(マーティン・ローレンス)とマイク(スミス)のコンビ「バッドボーイズ」の活躍を描く同シリーズで、3作目となる本作。若い頃はお互い無鉄砲だった2人ですが、年を重ねて、マーカスは家族のために守りに入る一方、独身のマイクは攻めの姿勢を崩しません。
好戦的な姿勢は、時に、乾いた心に火をともすきっかけになることも。その情熱が「正義」になるか、「暴力」になるか、『人生のために』考える必要はあるのかもしれません。
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(文/fumumu編集部・尾藤 もあ)