「『イク』って本当にあるの?」 イケる身体は作れる:アダルト業界関係者の喋り場

アダルト業界の作り手側で働く女・るいが、無限に広がる「性」の世界…ファンタジーを通して見る「リアルな性」の話を、本音でお伝えしていきます。

■はじめての自慰体験談

私は辞書などの文字ベースで性に興味を持ち始め、オナニーの存在も辞書で知りました。実際に「オナニーをしてみよう」と思った経緯は連載の初回に書かせていただいた通りなのですが、辞書には「自身による性器への刺激で性的快感を得る行為」と書いてあったので、なんとなくエッチなことを考えながら、下着の上からゆっくりと触っていきました。最初は1時間くらい触っていても「なんとなく気持ちいい」以上の感覚を得られず、疲れてしまって一旦諦めました。

そのまま諦めようかとも思ったのですが、なんだか悔しいし、きっと気持ちいいんだ…!と信じていた私は、翌日めげずにリトライしてみました。すると、1時間位経った頃になんだか違った感覚がしてきて、「わ、来そう!」というのが自分でもわかりました。そのまま続けていたら全身が熱くなり、身体中電気が通っているような一触即発状態になり、絶頂の瞬間は制御が効かないほど全身が震えました。

「イク」というのは明らかに存在するのだ、そしてお金をかけずとも確実に幸福感を与えてくれるものなのだ、と当時学生でお金もなかった私は感動した覚えがあります。

その後は体調や気分によってイケたりイケなかったり、途中で寝落ちてしまったりして、成功率100%というわけではないのですが、イクという感覚は自分の中で確実にわかるようになりました。オナニー挑戦2回目でイクことができたのはとてもラッキーでしたが、才能とかでも何でもなく、ひとえに根気勝ちだったと思います。


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■指の次は…

指でのオナニーはなかなか疲れるものです。というのも、自分が気持ちいいところや動かし方を探り続けなければならず、見つかってからは一定の動きを繰り返して刺激を与え続けなければならないからです。

そんなときに私は「電マ=(電動マッサージ機、ハンディマッサージャー)」でのオナニーの存在を知り、たまたま家にあったので試してみることにしました。強弱が2段階で選べ、下着の上から弱いほうで試したのですが、それでも刺激が強すぎて最初は本当に驚き、恐怖すら覚えました。しかし、少しずつ慣らしていき、だんだんとコツをつかむと、指でとは比べ物にならないほど簡単に絶頂に達するようになりました。

と同時に、「この刺激に慣れてしまったら実際のセックスでもイケなくなる」というのはセックス経験のない私でも想像がつきました。私が疲れるということは、イクまで触ってくれる相手も大変なわけで、この機械の刺激を当たり前だと思ってはならない、と気を引き締め、たまのご褒美にしようと決めました。実際「電マオナニーしすぎて電マじゃないと満足できないようになった」という女性の意見もよく聞くので、我ながら英断だったと思います(笑)。

その後、「シャワーを当てているときも気持ちいい」という発見から、シャワーオナニーも始めました。電マほどではないにせよこちらもわりかし刺激が強めなのですが、何よりシャワーが画期的だったのは、「中まで刺激できる」というところです。いつものように外でイッたあと、中をめがけて当てるとさらに気持ちがよくなり、さらにコツをつかむともう一段階イケるようになる、ということに気付くことができたのです。

私はどうやらこれで処女膜を破ってしまったようであること、水道代や光熱費がかかることは留意すべき点ですが、おもちゃに抵抗がある/買えないという方でも試す道がある、というのは価値のあることだと思います。


■自慰は「自分との対話」

ここまで体験談を書かせていただき、お気付きになった方もいるかもしれませんが、私はオナニーにおいて「自分で直接性器を触る」ということをほとんどしてきませんでした。指も電マも下着の上からで、あとはお風呂に入るついでにシャワーを用いてです。

理由として第一に、私はわりかし刺激に弱いほうで、直接の刺激だと痛覚のほうが勝ってしまって快感に繋がりづらい、というのを試行錯誤の中で知りました。

また指の動きも下着の上からのほうが滑らかに行えたという面もあります。第二に、「性器に直接触れることに抵抗があった、そして今でもある」からです。これは心理的な問題ですが非常に大事だと思っていて、アダルト業界に従事する私でもそうなのか、と安心材料になれば嬉しいなと思っています。

オナニーというのは自分との対話で、「どのような刺激が気持ちいいのか」といった自分の強みを見つける一方で、「自分がどういったことに抵抗があるのだろう」といった弱みを知るのもとても重要なことだと思います。そうするうちにどうすれば強みを伸ばせるのか分かるようになる、具体的には「あ、この場所でもイケそう」というような感覚が鋭敏になったりして、性器の中でも何か所もイケる場所が分かったり、はたまた性器以外でもイケるようになることに繋ってくるのです。

身体面で一つ留意すべきなのは、女性の性器にも「仮性包茎/真性包茎」のようなものがあり、性器が皮膚で覆われている場合少し感覚が鈍くなってしまっているかもしれない、という点です。もし心配な場合はパートナーに聞いてみる、または産婦人科などに相談する、というのも一つの手かもしれません。

今回は身体的な側面を自身のオナニー体験談をもとに書いてきましたが、次回は心理的な側面からイクことについてアプローチしていければなと思います!

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(文/fumumu編集部・るい

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