トム・ハンクス『幸せへのまわり道』(2019年):「イケオジ」作品のススメ
オーバー40男優「イケオジ」のススメ:トム・ハンクス。「名優」になるための努力。
■「聖人」になるための努力
とはいっても、「名優」と称される俳優は、実在の人物を演じるとその演技力が際立つのが特長です。そんなわけで、ハンクスの出演作としては、2019年の『幸せへのまわり道』が一番のおすすめ。
同作で、ハンクスが演じるフレッド・ロジャースは、子供向けテレビ番組の司会者として人気を博した実在の人物。ロジャースと交流のあったジャーナリストの実話がベースになっており、そのジャーナリストが、ロジャースとの出会いをきっかけに、自身と向き合っていくプロセスを描いています。
このロジャースは、「人当たりのいいやさしい人」の印象がありますが、実は陰で感情をコントロールする努力をしていたシーンが登場します。
そんな姿は、おそらく「名優」になるための努力をしていたと思われる、ハンクス自身の姿に重なるといえるでしょう。人は聖人になれなくても、成人に近づくことはできるのだと教えてくれる秀作です。
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(文/fumumu編集部・尾藤 もあ)- 1
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