おうちで映画三昧:「イケオジ」作品のススメ ⑧ヴィゴ・モーテンセン
オーバー40男優「イケオジ」のススメ⑧ヴィゴ・モーテンセン。60歳を過ぎての監督デビューは、まさにレジェンド!
■緑色の旅行ガイドブック
そんなヴィゴ出演のおすすめ作は、ヴィゴがゴンドールの王様、アラゴルンに扮して、一躍世界にその名を知らしめた『ロード・オブ・ザ・リング』(2001年)!
といいたいところですが、あえて『フォーリング 50年間の想い出』と同じヒューマンドラマの傑作『グリーンブック』(2018年)です。
タイトルの「グリーンブック」とは、緑色の表紙が目印の、黒人が使用できる施設が書かれた旅行ガイドブック。人種差別が色濃く残る1960年代のアメリカを舞台に、黒人ピアニスト、ドクター・シャーリー(マハーシャラ・アリ)と、彼のツアーに同行した運転手トニー・リップ(ヴィゴ)の絆を描いています。
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■用心棒と、ピアニストの「音」
『グリーンブック』には、当時のジェンダー問題や人種差別が随所に登場し、時代が違うとはいえ、思わず考えさせられます。
ですが、重いテーマにもかかわらず、悲壮感が漂わないのは、コメディ作品の旗手、ピーター・ファレリー監督ならでは。2019年の第91回アカデミー賞で、作品賞と脚本賞に輝いたのもうなずけます。
その中で、特に注目したいのは、ヴィゴの話し方。トニーはもともとクラブの用心棒で、終始蓮っ葉なしゃべり方をするのですが、シャーリーと旅を続けるうちに、次第にまろやかな音になっていくのです。
ヴィゴ自身が語学に堪能なこともあり、王様や高貴な役を演じる時のヴィゴの発音は、当然見事ですが、蓮っ葉な口調は変わらず、トーンの変化だけで心情変化を表現するのはさすがレジェンド・イケオジ。その話し方をはじめ、ピアニストが登場する本作の「音」に注目してみるのもおもしろいでしょう。
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(文/fumumu編集部・尾藤 もあ)- 1
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