トランスジェンダーは心と体の性が一致しませんが、必ずしも性転換を望んでいないそうです。そこで、fumumu取材班はその理由を聞いてみました。
①親からもらった体だから
「親から生を受けてこの体かあるからこそ、たとえ心の性が一致しないとしても、私のものだけではなく、親のものでもあり、親の意志も大切だと思っています。
だからこそ、ピアスなど些細なことであっても体を傷つけることはしたくないのですが、仮にどうしてもしたいと思っても親が反対したらやめたと思います。
ただ、体が誰のもので、誰がどう扱うと決めるか…という考え方は人それぞれなので、親側が『私が生んだんだから』というのもちょっと違うと思っていて、難しい問題だと思います」(20代・女性)
②パートナーの意志
「交際相手に言われたから…という人もいるでしょうね。私の場合、心の性は女性だけれど、それに気づく前からずっと付き合っている男性と結婚を考えているから手術しません。
彼には、トランスかもしれないと受け入れた時、自分のマイノリティを受け入れてくれたものの、できればそのままの君でいて欲しいと言われましたし。その理由も、(体の構造的に)自然な形で妊娠し子供を産みたいから…というものでした。私も、そういう計画含めてなら納得してしまいました」(20代・女性)
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③物理的な障害
「手術って莫大なお金がかかるんですよね。いくら女性になりたい、男性になりたいと思っても、お金がなければどうにもなりません。でも、稼ぎたいから稼ぐってことができる世の中でもないと思うんです。だから、手術したいのにどうにもならなくて、手術自体を諦めるって人も割といると思います。
私は、いつ手術できるかもわからないのにずっと期待を持ち、どんどん予定が先延ばしになり…一体いつ本当の体(だと自分が思うもの)を手に入れられるのかと思って精神的に滅入ってしまい、思考を放棄しました」(20代・女性)
「そこまでのことを望んでいない」というトランスジェンダーもいるようですが、環境がそうさせているケースも多そうです。
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(文/fumumu編集部・fumumu編集部)