iroha広報、性にまつわる職業を選んだワケ 伝えたい「女性の性」とは

TENGAグループ「iroha」の女性広報にインタビュー! 広報への転職までの経緯、女性が性に語ることへの必要性を伺いました。


■ポップアップストアの意義

iroha

――「iroha」は、ポップアップストア も展開されており、実際に生の声を聞く機会も増えていると思います。期間限定のストアには老若男女、来ていたとか。

西野:ありがたいことに、性別・年齢問わず幅広い方に来ていただきました。年齢層が上の方は、夫とのコミュニケーションが取りづらくなっちゃったとか、出産によって感じ方が変わってしまった…など悩みとともにいらっしゃる方もいて。

――カラダのコンプレックスも十人十色でしょうけど、印象深い出来事はありましたか?

西野:社内で共有したときに聞いた話なんですが。50代の女性だったのかな。お子様が産まれて20年近くセックスレスで、自分からは誘っちゃいけないって思うし、でも悶々とした性欲がある。でも「こんなこと思っている私はおかしいんじゃないか」とずっと思っていたそうです。

ポップアップストアの存在を知って、この気持をスタッフに相談したら「全然普通のことですよ、みんな誰でもありますよ」という言葉を聞いて、その場ですごく号泣されたって。

――「ここだったら相談できる」と悩みを抱えてきたんですね。ポップアップストアを出したことの大きな意義を感じます。

西野:そうですね。直接お役に立てたなって話を聞いた私や他のスタッフも、思わず涙ぐみました。本来、みんな持っていておかしくない欲求なのに、産まれた環境とか、育ってきて何を聞かされて何を見てきたかで、悩みを抱えたりもするし、そういう悩みを抱えるのはおかしいよねと、伝えていきたいですね。


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■女性の性「もう少しだけでもオープンになれば…」

――現代も性について少しずつ開けてきたとはいえ、“女性が性について語る”ことはタブー視されています。女性が語ることの必要性はどんなところで感じますか?

本井:先日ある雑誌で10代から20代前半くらいの女性の質問に答えるという取材を受けたんです。その時に改めて「若い人にたくさん届いてほしいな」と思いました。

相談内容を通じて、本当に性の知識がゼロに近いまま性行為に挑むんだな~とわかって。「どうやったら潮吹きできますか?」とか「どうやったらイケますか?」とか、「コーラで避妊できるって本当ですか?」とか。

――コーラで避妊! もう消え去ったと思った都市伝説が、まだ言われているなんて…。

本井:そうなんです、アップデートされていなくて。今は性や性教育についてYouTubeで発信している方も増えてきてはいるんですが、その悩んでいる人たちに届くまで、まだ浸透していないんじゃないかなって。

セックスがこういうものだから、このお手本に沿うようにこうしなきゃ、受け身でいなきゃ、みたいなものが女性にもあって…。

女性は「セックスに積極的なことは恥ずかしい」「相手の期待に応えなきゃ」「受け身でいなきゃ」みたいなものがあって…かと思えばマグロって言われてしまったりとか。

結局その中に、「自分がこうしたい」とか「自分がどうされたら気持ちいいのか」という視点が全然なかったんですよね。

だからこそ「iroha」としては、女性も自分のカラダのことを知ることは大事だし、自分の気持ちいいところを見つけてみようよっていうのは伝えていきたいと強く思いましたね。

――これほどにネットに情報が溢れているのに調べないものなんでしょうか。

西野:リテラシーのレベル感が違うんだと思います。我々は前提として「AVはファンタジー」だと理解しているし、基本的な知識があるから、話半分で聞いて自分で調べるっていうことができる。でも、自分が性に目覚めてからそれしか受け取ってないと、ほかの選択肢が見えなくなっちゃうのかな~って思いますね。

――さらに男性側がAVで得た行為を実践して、反応がなかったら「気持ちよくないって、お前おかしくない?」なんて言われて、「私、ダメなんだ」という、両者の思い込みからなる負のループに陥る人、多いみたいですしね。

犬飼:女友達と飲みながら話していると「彼氏ともっとセックスしたいけど言えない」とか、みんな同じような悩みを抱えているし、もう少し女の子が言える空気感を作っていければ彼女たちも言えるんだろうな~って思います。

また、男性とも話をしていても、自分がしていることが本当に気持ちいいのか、相手は演技なのかわからないと悩む男性も多いんですよ。マンネリ化してるから「道具とか使いたいけど、相手に嫌がられるんじゃないかな」とか…女性の気持ちに寄り添いたいけど、聞くのもはばかられるし、彼女も言ってくれないし…。

――なんとなくタブー視されているから、コミュニケーションが取れないというのは双方的な問題だと。

犬飼:そうですね。女性が語るということがもう少しだけでもオープンになれば、男性側が聞ける空気にできるんじゃないかなって思うので、必要性を感じますね。

***

性別関係なく、双方悩んでいる性のこと。お互いが歩み寄るキッカケとして、「fumumu」では、女性から積極的に発信してけたらと思います。

…ということで、10月からは「iroha」広報、本井さんと犬飼さんによる連載「iroha広報の“性なる”ガールズサロン」配信を決定しました!

作品、イベント、悩み相談…など、幅広い“性”にフォーカスを当ててお送りしていきたいと思いますので、お見逃しなく!

・合わせて読みたい→「性のイメージを新たなものに」入社のきっかけをTENGA社員に聞いた <後編>

(文/fumumu編集部・長谷川 瞳

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