『いちばんすきな花』2話 他人の気持ちに敏感な主人公たちの姿に視聴者「救われる」
周囲とのズレや勝手に感情を想像してしまう辛さを感じるのは自分だけじゃない。ゆくえと夜々の交流で生まれたものとは?
19日放送のドラマ『いちばんすきな花』(フジテレビ系)の2話「4人をつなぐ忘れ物…交換ノートと同窓会」。
今回クローズアップされた、主人公たちの”他人の気持ち”との関わり方について、SNSでは賛同の声が上がっているようです。
■みんなと同じ感情になれないと怖い
子供の頃から”ちゃんと”嫌われないように配慮してきた、ゆくえ(多部未華子)。友人の話に相槌を打ち、笑い、宿題を見せ、友人の好きな人は恋愛対象から外す…。そうやって仲良くなったはずの友人の結婚式に呼ばれていなかったゆくえは、大人になった今でも、たった一人で孤独を深めていました。
一方、夜々(今田美桜)もまた、周囲の感情とのズレに戸惑っている人のひとりでした。出席した結婚式で、新婦の手紙に思わず感動して涙を流した夜々。しかし、友人たちは感動ハラスメントだと揶揄し嘲笑していました。複雑な顔をしつつ、その場では友人たちに合わせましたが、他人との感覚の違いに苦しんでいて…。
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■勝手に気持ちを想像してしまう辛さ
公園で偶然出くわした夜々と紅葉(神尾楓珠)は、2人きりの気まずさに耐えきれず、椿(松下洸平)の自宅へ向かいます。また話したいと思っていた3人。空いた席を見た紅葉が、ゆくえに連絡し、再び4人揃ってのお茶会がはじまるのでした。
会話が進むうちに、ゆくえは昔見たちびっこ相撲の話を始めます。見るからに身体の小さな子と大人のように大きな体格の子の試合で、周りは小さな子に対してかわいそうと言い、大きな子に恵まれてるねと言う。少しずつ押し出していった結果、小さな子が勝利して感動の渦に包まれた会場。その様子を見たゆくえは涙が止まらなくなったと言うのでした。
なぜなら、負けた大きな身体の子の気持ちを想像してしまったから。「自分が期待されて負けたことでみんなが感動してるってどれだけ辛いだろう」と。
これに対してSNSでは、「どうしても自分自身と重ねて観てしまう」「ネガティヴな人間なので共感できるところしかなく、だけど人から見ると私も自分のことばかり卑下して考えすぎってなるんだろうなという客観的な見方もできた 同じく、勝ち負けがあるものは負けた方に感情移入するタイプです」「みんなと同じキモチ、深い話。例えば、何冠制覇とかかかってる試合でみんなが期待しているのはタイトル制覇する側の勝ちであって、でも対戦相手だって同じように努力して同じ土俵に立ってるわけで。当然勝ちたくて、でも勝ったらガッカリされて、ちょっと悪者みたいになって。ね?」など、多数派ではない人に寄り添ってしまうという視聴者も意見も多く見られました。
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■交換ノートの終わり
塾の生徒に交換ノートの最後について語った際、「私の家にあるわけないじゃん」と言っていたゆくえでしたが、なぜゆくえの家にないのかまでは描かれていませんでした。しかし、ゆくえが自分のターンで終わらせていない自信があったのは、嫌われたくなくて急いでノートを回していた夜々と同じだったのかもしれません。
ちびっこ相撲で負けた側に共感したり、交換ノートの回し方が似ていたりする、ゆくえと夜々。
「傷付き続ける人たちの救済。分かる、分かってしまう言葉の連続。分かることは辛いけど、同時に肯定された気持ちになる。自分だけじゃないって気付ける。単純だけど、それだけで幾分救われる」という視聴者の声もあったように、ゆくえと夜々もお互いに分かり合える部分を知ったことで、少しだけ安心できたかもしれませんね。
メジャーな意見に共感できなかった場合、こんなことを思っているのは自分だけではないかという不安や孤独が深まるのは当然のことです。
少数派の考えをドラマとして発信してくれることで、自分だけじゃないと思える。本作を通じて自分と同じ感覚の人の存在を知ることで、私たちもまた何かを変えていけるのかもしれません。
次週3話は10/26(木)放送です!
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(文/fumumu編集部・福野 エリカ)