アプ活で出会った本命彼とのデートに期待膨らむも… “婚活アラフォー女性”が通る不安
マッチングアプリにどハマり中のモノマネ芸人・小出真保が、アプ活で出会った人とのアレコレを吐き出します。
リアルな体験談や心境をポップに時にダークに伝えていく『全力! 女芸人小出真保の婚活ダイアリー』。
試しに会ってみたものの、何も変わっていなかったカジュアル男…7割成田凌改め、老いた成田凌。自分の恋心を確信し、ついにたった1人の人と向き合っていくことになるのでした。
■これが、恋
本命(仮)とのデートの日が迫っていました。長野から転職してきた6歳年下の彼。まだ一度しか会ってないのに、本命と決めつけています。
デートは、ベタにアルタ前に集合。彼から「新宿駅が変わってて少し遅れます、すみません」とのメッセージ。そういえば彼は転職で上京する前、大学は都内だったそうなので10年ぶりくらいの東京ということになります。あの透明感は信州にいたからなのか…。透明感というか垢抜けていないとも言えるのですが…。緊張しすぎている私は、アルタ前に待ち合わせなのに、アルタの中に入ってメイク直し。
そろそろかな…。チラチラと外の方を見ていると、きた! 彼がきました! その瞬間、気づけば彼の方へ向かって一直線にダッシュし「かっこいいーーーー♡!!!!」と周りに聞こえないように声を押し殺しながら叫んだのです。一瞬、懐かしい気持ちが蘇りました。コンサートにきたアイドルの出待ちをしたときのような、ディズニーランド開演と同時に走り出すような、その瞬間の気持ちに、真っ直ぐな自分。
「お久しぶりですっ!」勢いよく到着した私に少し驚いていたようでした。彼はお待たせしてすみませんと言いながら表情はいつもの穏やかな笑顔。歩き出すも、彼はボーッと歩いていてどこに入ろうかという提案がなさそうだと感じ、私がランチでよく行く店に連れて行くことにしました。
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■これが、恋、その2
お店に向かう途中、彼はこの3週間ずっと気になっていたのでしょうか、早速聞かれてしまいました。「まほさんのこと調べました、まほさんのこと見たことあると思います、それで…どれだけマッチングアプリで会ってるんですか?」。
さっきまでの青春の駆け出しが吹き飛び、現実的に自分がやってきたことを説明しなくてはいけなくなりました。うわ、どうしよう。でも、悪いことをしていたわけではないし、あれはあれで大切な経験。これをちゃんと言えばいいのです。
私「真剣に相手を探していました、使っていたマッチングアプリは13社です」
彼「13!? そんなにあるんですね、僕は1つだけですけど」
私「はい、会いまくってて」
彼「何人ですか?」
私「ご、55人ですね、現在」
これって、いつもの男性たちと同じ展開じゃない? このまま引かれてしまうのだろうか…。もうどうにでもなれと思いました。すると「ちょっと想像を遥かに超えていました」と彼は笑い出し、そのあとはいっさいアプリのことは聞いてきませんでした。どうやら、もう流してくれたのでしょうか。
ランチやお茶をしながらお互いことをとにかく話しました。彼はリードすることが苦手みたいだし、私が大好きなレストラン予約もしない、ハイスペックでもない、でも、そんな今までのデータなんて私は忘れていました。
気づけば夜になり、閉店までおしゃべりしていました。彼はお店を出るとき…「全然長く感じなかった」とひとりごとのように言っていました。
今日はこれで解散しよう。絶対に。ここにきて、私の今までマッチングアプリ体験が少し役に立ちました。そう、帰るのです。絶対にこの彼をカジュアルとして終了させない。させるわけがない。この彼だってオス。カジュアルな心がないわけがない。
そう意気込んでいましたが、向こうも帰るつもりだったのか駅へ普通に向かっているようでひと安心。歩きながら横顔を見てみると、やっぱり、彼はキラキラしていました。恋をしたからそう見えてる? それとも、もしかして私に恋をしちゃった? と完全に舞い上がっていました。
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■幸せになるのが怖いというやつ
彼とはすぐ次に会う日を決めました。なんと向こうから「土日ならいつでもいい」とLINEがきたのです。驚きと共に、やっぱりいける、と。今までの数少ない恋愛経験からだけど、いけるパターンのやつだと。いよいよ彼氏ができるかもしれないという期待。
そうなってくると、襲ってくるんですよね…「幸せになるのが怖い」というやつです。何が怖いのでしょう。ありがたいこと、ハッピーなことなのに。昭和生まれの女芸人特有のものなのだろうか。べつにそんなにストイックに生きてるわけでもないのに、なんとなく幸せになるのが怖い、つまらなくなるんじゃないかという感覚。女芸人だけじゃない? 人は変化に恐れる生き物だから? しかし、そんなものは、彼に会う日が近づけばふりきってしまいます。早く会いたい。
次のデートは、川デートを提案しました。しかも二子玉川。私は、カジュアルとはほど遠い安ラブホなんてない場所で、綺麗な景色を見てレジャーシートをひいてお話したかったのです。彼は喜んでいました。それに、この日は彼からたくさん質問されました。
そして、夜まで長時間一緒にいました。川から移動して夕飯を食べているときも、私のことをじっと見ているのを感じます。この日も彼はちゃんと20時には解散し、いっさい手は出してきませんでした。
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■婚活アラフォーが必ず通る不安
毎日毎日、どんどん、好きになっています。1日中彼のことを考える日が増えていきました。すると。完全に忘れていたひとから連絡がありました。「まほさん、婚活はいかがですか? そろそろ相談所また再開しますか?」。
婚活アドバイザーです。本命の彼が登場したことを伝えていませんでした。私は、今、出会っちゃってるんですと、宿敵の婚活アドバイザーに伝えたい…! というか、世界中の人たちに伝えたい!!
私はすぐ電話して報告すると、思っている以上に婚活アドバイザーは祝福してくれました。結婚相談所は休会しましょうとまで言ってくれました。ですが、ここで言われたことで、また不安が襲うのでした。
婚活アラフォーが必ず通る不安。「その彼は、早く結婚してくれるのか?」「相談所で出会ってない分、彼は結婚はまだしたくないかも」。そして「子供がほしいならそこも考えないと、早い方がいいんです」。
やっぱりそうなるか。そういう展開になると思ってはいました。自分が経験するとは思っていませんでしたが、アラフォー婚活が焦る原因は、相手が同じ温度じゃなく折り合いがつかないことが多いと言われているからです。
せっかく好きになったのに、もう不安なんて。今、思えば、好きという想いだけを大切にすれば良かったのかもしれません。この日から、ずっと私は焦っていたように思います。婚活アドバイザーの言うことは正しいし、どうしたらいいか全て自分で決めなくてはいけない。
それでも気持ちは抑えきれません。次、会った時に、不安を全て話す私、それに対して、彼の言葉は…? 感動で大号泣?! いよいよ、交際スタート! マッチングアプリよ、本当にありがとう!
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■執筆者プロフィール
小出真保:太田プロ所属のものまねタレント。フジテレビ系で放送の『 ザ・細かすぎて伝わらないモノマネ』で優勝経験あり。
aiko、優香、泉ピン子などものまねネタ多数。近年はナレーションなどの活動も積極的に行っている。
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(文/fumumu編集部・こいで まほ)