何かを選ぶときに使う「寧ろ」という言葉。あなたは正しく読むことができますか?
■「寧ろ」って何と読む?
fumumu編集部が全国の10代~60代の男女1,000名を対象に「寧ろ」の読みかたに関する意識調査を行なったところ、「ねんごろ」と読むと答えた人が全体で28.3%。続いて「ねいろ」と読むと思うと回答した人が4.4%でした。
ちなみに、「ねんごろ」は「懇ろ」と書きます。
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■正しくは「むしろ」
なお、「寧ろ」の読みかたは「むしろ」。編集部の調査では、全体で67.3%の人が正しい読みかたを回答していました。
しかし、「寧」という漢字には「親切で丁寧なさま」を意味する「ねんごろ」という字義があり、『実用日本語表現辞典』には「“寧ろ”と書いて“ねんごろ”と読ませる場合もなくはない。とはいえ、一般的な読みかたとまではいえない」と記されています。
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■選ぶときに使う「寧ろ」
『デジタル大辞泉』(小学館)によると、「寧ろ」は、ふたつを比べて「あれよりもこれを選ぶ」「これのほうがより良い」という場合に使用する言葉。「休日は遊びに行くより“寧ろ”家で寝ていたい」といった使いかたをします。
また、「寧」という漢字は「ネイ」と読み、「安らかに落ち着いている」という意味。そのため、平穏で心安らかなさまを意味する表現の「安寧(あんねい)」、穏やかで無事な日を意味する「寧日(ねいじつ)」にも「寧」が使われています。
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■「読むの知らなくて」「“ねいろ”としか読めない」
インターネット上で「寧ろ」について調べてみると、「“むしろ”って読むの知らなくてずっと“ねんごろ”やと思ってた」「どうもここ数年、寧ろ(むしろ)と読むところを懇ろ(ねんごろ)と読んでしまう。全然違うのに…」「“寧ろ”が“ねいろ”としか読めない」といったツイートが多数見受けられました。
字義どおりに「ねんごろ」と読む場合もあるようですが、「むしろ」と読んだほうが無難と言えるでしょう。ぜひこの機会に覚えてみては!
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(文/fumumu編集部・丸井 ねこ)