ブレンダン・グリーソン『ロンドン、人生はじめます』(2017年):「イケオジ」作品のススメ
オーバー40男優「イケオジ」のススメ:ブレンダン・グリーソン。「実は」の裏。
年を重ねるごとに、ますますかっこよくなるイケてるおじさま、「イケオジ」出演のおすすめ作をご紹介する本企画。
今回は、『イニシェリン島の精霊』の公開を記念して、本作でアイルランド沖の孤島、イニシェリン島に暮らすコルム・ドハティを演じているブレンダン・グリーソンです!
■死を告げる妖精のいる島
現在公開中の『イニシェリン島の精霊(原題:The Banshees of Inisherin)』は、アイルランドの孤島を舞台にしたヒューマンドラマです。
本作のタイトルの原題にある「バンシー(Banshees)」は、以前『コードネーム:バンシー(原題:Code Name Banshee)』でご紹介したのと同じ、女性の姿をした声で死を告げる妖精のこと。
この妖精をモチーフに、物語は長年の友人だったパードリック(コリン・ファレル)とコルムの間にヒビが入り、その行方を追う展開になっていきます。
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■じつは元小学校の先生
このコルムに扮しているのが、同作の舞台となっているアイルランドで、1955年3月29日に生まれたブレンダン・グリーソン。
本格的に俳優デビューしたのが、35歳の時という遅咲きの印象があるレジェンド・イケオジですが、元はイギリスの名門、王立演劇学校出身で、教職の傍ら、舞台俳優として活動していたそう。
そういう意味では、『ハリー・ポッター』に登場する魔術の先生、アラスター“マッド・アイ”・ムーディはハマり役ともいえるでしょう。
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■例え偏屈な人と出会っても
このムーディ先生のように、その風貌からか、「どことなく偏屈に見えるけど実はいい人」のようなキャラクターが似合うイメージのグリーソン。
そのイメージが一番よく表れているのが、2017年の『ロンドン、人生はじめます』。
本作は、ロンドンを舞台に、未亡人のエミリー(ダイアン・キートン)が、自然の中で自由に暮らすグリーソン演じるドナルドと出会い、次第に惹かれ合っていく大人のラブストーリー。このドナルドは、一夜で資産家になった実在するホームレスの男性がモデルとされており、グリーソンの頑固ながら飄々とした演技は、思わずほころんでしまうほど、「どことなく偏屈に見えるけど実はいい人」。
人が人と出会う時、また新たな人生の幕開けになることを思い出させてくれる良作です。
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(文/fumumu編集部・尾藤 もあ)