ロバート・ダウニー・Jr.『ワンダー・ボーイズ』(2000年):「イケオジ」作品のススメ
オーバー40男優「イケオジ」のススメ:ロバート・ダウニー・Jr.。「異端児」の系譜。
年を重ねるごとに、ますますかっこよくなるイケてるおじさま、「イケオジ」出演のおすすめ作をご紹介する本企画。
今回は、2021年7月に亡くなった、ロバート・ダウニー・シニアを追うドキュメンタリー映画『”Sr.” ロバート・ダウニー・シニアの生涯』の公開を記念して、本作に登場している息子のロバート・ダウニー・Jr.です!
■父と息子のリアルな姿
12月2日公開の『”Sr.” ロバート・ダウニー・シニアの生涯』は、タイトル通り、2021年7月に85歳で逝去したロバート・ダウニー・シニアの姿を映し出すドキュメンタリー。
1970年生まれのドキュメンタリー映画監督クリス・スミスが、ダウニー・シニアに3年間密着取材を行ったそうで、その中で、最初の妻エルシー・フォードとの間にもうけた息子、ロバート・ダウニー・Jr.が登場します。
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■『鉄の男』が見せる素顔
1965年4月4日、アメリカ生まれのロバート・ダウニー・Jr.は、ハリウッドを代表するイケオジ俳優の1人。喜劇王、チャーリー・チャップリンを演じた『チャーリー』(1992年)ではイギリスアカデミー賞主演男優賞に輝き、マーベルコミックのスーパーヒーロー、『アイアンマン』(2008年)に扮して以来、子どもたちにも大人気の実力派です。
『”Sr.” ロバート・ダウニー・シニアの生涯』では、「親を見守る子ども」のプライベートな表情を披露。シニア監督と同世代のダウニー・Jr.だからこそ見せる、素直なやさしいまなざしが光ります。
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■『天才たち』のいるところ
そんなロバート・ダウニー・Jr.のイチオシおすすめ出演作は、『ワンダー・ボーイズ』(2000年)。ダウニー・Jr.が主演でもなく、かなり古い作品ですが、本作を見ると、「映画界の異端児」と呼ばれた父ロバート・ダウニー・シニアの血を、まさに受け継いでいるのがよくわかります。
本作は、マイケル・ダグラス演じる大学教授グラディ・トリップが主人公。グラディは、かつて処女作が高い評価を受け、「ワンダー・ボーイ(天才)」と呼ばれた作家でしたが、いまは2作目も書けないほどのスランプに。ダウニー・Jr.は、グラディに新作を催促しに来る編集者、テリー・クラブツリーとして登場します。
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■受け継ぐ「異端児」の血
このテリー、仕事はできますが、実は後がないかなりのお調子者。まさに「出版界の異端児」といってもいい、一筋縄ではいかないキャラクターを、ダウニー・Jr.が飄々と演じているのは見ものです。
つまり既存のものを壊す「異端児」が「天才」であるように、実際に「異端児」の父の血を受け継いだ「異端児」の息子が扮している「異端児」は、連綿と受け継がれてきた「天才」の証だといえるでしょう。
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(文/fumumu編集部・尾藤 もあ)