ネット上の心ない発言が刑事罰の対象に…RTやシェアも違法の可能性

SNSの交流が日常となる中で、心ない投稿が刑事事件や損害賠償問題に発展するケースが増えています。弁護士が解説します。

書き込みに怒り
(liza5450/istock/Thinkstock/写真はイメージです)

若者を中心に、TwitterやInstagramがコミュニケーションツールとしての地位を確立している一方で、ネット上での心ない発言が後々問題となり、刑事事件や損害賠償問題に発展するケースが増えています。



■なぜ問題が増えている?

ネット上では、互いの顔が見えず、自分の素性を明かさなくても書き込みできるため、誰かに対する批判、誹謗中傷、悪口を書き込んでしまいやすい特徴があります。

また、ネットに書き込まれた情報は、「誰でも」「いつでも」「どこからでも」アクセスでき、不特定多数の人に一度に見られてしまう影響力の強さも大きな特徴ですね。

また、一度書き込まれた投稿は、スクリーンショットで画像として保存されれば、別のサイトに内容を再投稿できてしまうため、すべて削除することが非常に難しいです。

ネットの投稿は、内容が過激であることも多く、影響力が低いとも言いにくいため、書き込みをした側が考えている以上の被害を与える場合もあります。

ネット上への書き込みは、「名誉毀損罪」「侮辱罪」「業務妨害罪」など、刑事上も違法になる可能性があり、注意が必要です。



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■書き込み自体が違法に

一般的な事件で「違法なことをされた」と被害の申告をする際に、最も弁護士の頭を悩ませるのは、証拠の確保です。

誰かに対して刑事的な処分を申告するには、証拠が絶対に必要です。書類などの客観的な証拠がなく、当事者の供述しかない場合には、刑事事件として取り扱えない場合が非常に多いのです。

しかし、ネット上で違法な投稿がされた場合には、投稿を保存しておくことが簡単です。告訴もしやすいでしょう。



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■「リツイート」や「シェア」も違法となる可能性

別の人が投稿した記事をリツイートやシェアすることも、内容によっては違法になります。

最近の裁判例上、リツイートやシェアは、「元の発言を自分の発言として投稿する趣旨のもの」とされているためです。

過激な発言をリツイートやシェアすると、自分も加害者とされる可能性があることを充分理解しておく必要があります。



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■「いいね」は?

一方で、別の人の違法な投稿に対して「いいね」を押す行為は、直ちに違法とされない傾向にあります。

「いいね」は、元の投稿を自分の発言として投稿する趣旨のものではなく、元の発言に賛同の意見を表明するものにすぎないと考えられているためです。

とはいえ、違法な投稿に対して「いいね」を押すことが絶対に違法にはならないと言い切ることはできません。

また、道義的な責任は残るので、他人の権利を侵害する違法な投稿に対して気軽に「いいね」を押すことは避けなければなりませんね。


インターネットでは、無責任な発言によって発生している犯罪行為・違法行為が非常に多いと感じています。

無責任な発言をしていると、いつか刑事告訴をされてしまう可能性もあります。とくに、特定の個人を攻撃する投稿を気軽にしてしまうようなことは、絶対にないようにしましょう。

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(文/fumumu編集部

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