あまり耳にしたことがある人は少ないと思いますが、「両思いを望まない」というような言われ方をする「リスロマンティック」というマイノリティがあります。
リスロマンティックは“性的指向”は問わず、“恋愛指向”に関するマイノリティであり、一つの恋愛傾向と捉えることができるでしょう。
両思いを望まないというとちょっと違う…と思う当事者もいると思いますが、挙げられる特徴は「両思い」が難しいものが多くなっています。
そこで、fumumu取材班は当事者たちに特徴を聞いてみました。
①恋愛感情を向けられるのが嫌
「アセクシャルの人でも一部にいますが、恋愛感情を向けられるのが苦手です。でも、アセクシャルと違って自分がリスロマンティック的だと思うのは、いっときでも恋愛感情を抱くこと。
そして、仮に両思いになったとしたら、その瞬間にふっと恋愛感情がなくなって冷めてしまうこと。男性は特に『女の子を追いかけるのが楽しいから達成したら冷める』と言われることがありますが、それとはちょっと違うと感じています。
僕の場合、恋愛感情を向けられた瞬間に、悲しいことに好きな人でも嫌悪感を抱いてしまうんです。僕の中で“その人を好きであること”で恋愛は熟し、完結しているんです」(20代・男性)
関連記事:セクマイだけど… 特性を持っているのか、環境のせいなのかわからない人たち
②双方向を望まないから…
「僕は恋愛感情=エッチをする関係というのが疑問です。どうしてもその2つが結びつかないんです。リスロマンティックの多くはプラトニックな関係を求めるというので、そういう特徴があると思うんです。
僕の場合、タチの悪いことに他者に対してムラムラする…ということはあるので、『好きじゃない人となんでエッチしちゃいけないの?』と思ってしまうんです。
逆に、好きな人から性的欲求を向けられると、途端にその子への思いがなくなるどころか、不快感を覚えてしまうんですよね。リスロマンティックは双方向の思いを望まず、一方通行の恋愛傾向があるからこそ、こういう考えに至る人もいると思います。
男の本能だし、本能のせいなのか、セクマイのせいなのか…。でも、『双方向を望まないからこそ』という根底が少なからずあるので、これも多分、リスロマンティック的」(20代・男性)
関連記事:はっきりマイノリティを自認できない…どこか違うと思っている人たち
③付き合いたいという欲求がない
「なんか、周りを見ていると、本当に好きだから付き合ってるのかな…なんてカップルも多いんですよ。余計なお世話ですね(笑)。みんな、付き合うことが目的になっている感じがします。僕はそれが理解できなくて…。なんでそんなに恋愛することに熱中できるんだろう。
仮に好きな子ができたとしても、だから恋愛しようってことにも繋がりません。でもまあ、同じリスロマンティックの仲間と話していても価値観は様々ですね。多分、恋愛をすることに軸を置いていないっていうのでは一貫してます」(20代・男性)
付き合った瞬間に振られる…という場合、もしかしたら潜在的なリスロマンティックの人だったという可能性があるというわけですね。
・合わせて読みたい→日本ではノンセクシャルとアセクシャルが同一視されがち? 違いは…
(文/fumumu編集部・fumumu編集部)