ダイナミックな歌とダンスで表現された『カラーパープル』 逆境から抜け出す術が見つかるはず
名匠スティーブン・スピルバーグ監督が手がけた『カラーパープル』のミュージカル版が2月9日公開。
ピュリッツァー賞を受賞したアリス・ウォーカー原作の同名小説をミュージカル化した『カラーパープル』が2月9日から公開。
自由を奪われた主人公の女性から、自らの意思で自由を選ぶ方法を探ってみましょう。
■ピューリッツァー賞受賞の原作小説
2月9日公開の『カラーパープル』は、アフリカ系アメリカ人作家のアリス・ウォーカーが、1982年に発表した小説が原作。翌83年に、アメリカ最高の文学賞ともいえるピューリッツァー賞を受賞した名作です。
1985年には、巨匠スティーブン・スピルバーグ監督によって映画化され、2005年にはミュージカルにもなり、トニー賞に輝いています。
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■虐げられる女性の一生
主人公は、子どものころから父親に虐待され続けてきた女性セリー(ファンテイジア・バリーノ)。唯一の癒しは、妹ネティ(ハリー・ベイリー)の存在でした。
ところが、ある日セリーは、父からなかば強引に、「ミスター」(コールマン・ドミンゴ)と結婚させられます。ミスターはセリーをメイドのように扱い、ここでもセリーは虐待から逃れられません。ただ耐え忍ぶしかできなかったのです。
やがてセリーは、ミスターの元恋人で歌手のシュグ(タラジ・P・ヘンソン)、ミスターの息子の恋人ソフィア(ダニエル・ブルックス)といった、逆境に立ち向かう力強い女性たちと出会い、自身の人生を切り開いていく決心をするのですが…?
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■自らに眠る力を思い出す
実は1985年版では、以前ご紹介したレジェンド・イケジョ、ウーピー・ゴールドバーグがセリー役で出演しています。音楽が主役ではない分、特に前半部分では、大人しく内気なセリーが虐待され、耐え忍ぶシーンは、目を覆いたくなるほど。
ですが、本作はミュージカルとして、登場人物の心情がダイナミックな歌とダンスで表現される分、それぞれのキャラクターが、何を思い、何を感じていたのかがダイレクトに伝わってきます。
セリーは、ただ耐えていたのではなく、自らの価値に気づき、その力を外に出すまで時を待ち、つまりは自身の中で育てていたのです。
そのセリーの声は、逆境から抜け出すのに必要な、自分の中に眠る力を思い出すよう、促してくれるのかもしれません。
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『カラーパープル』
2/9(金)全国公開
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(文/fumumu編集部・尾藤 もあ)