「自分に戻る」こととは? ドラァグクイーンの孫とその祖母の物語から考える
サンディエゴLGBTQ映画祭で最優秀新人監督賞を受賞したフィル・コンネルが描く『ジャンプ、ダーリン』が1月19日公開。
老いゆく祖母と、寄り添う孫のドラァグクイーンの絆を描き、LGBTQ関連映画祭で多数の賞に輝いた『ジャンプ、ダーリン』が1月19日から公開になります。
2人の姿から、「本当の自分を思い出す」方法を探ってみましょう。
■リアルな「老い」に寄り添えば
1月19日公開の『ジャンプ、ダーリン』は、ロサンゼルス・ゲイ・レズビアン映画祭をはじめ、多くのLGBTQ関連映画祭で賞を獲得した話題作。
主人公のドラァグクイーンの祖母役を、オスカー賞、エミー賞などを多数受賞した往年の大女優クロリス・リーチマンが演じ、「老い」をリアルに表現する様は見事です。
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■孫と祖母の生きる道
俳優からドラァグクイーンに転身したラッセル(トーマス・デュプレシ)は、ふと祖母マーガレット(クロリス・リーチマン)の家に立ち寄ります。
マーガレットは、自身の「老い」に気づいていながらも、娘でラッセルの母であるエネから勧められる老人ホームへの入居を拒み続けていました。ラッセルは、以前と違う祖母の様子に、しばらく一緒に住むことにするのですが…?
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■生きるとは本来の自分を取り戻すこと
劇中、ラッセルは恋人から「俳優業に戻ってほしい」と懇願されますが、それを拒否、迷いながらもドラァグクイーンの道を進みます。それは、生きることに疲れた祖母が、徐々に「老い」に冒されていくのと同時進行になっていきます。
「老い」はだれにとっても避けて通れない問題ですが、その「老い」に身をまかせて生きることに失望するか、「老い」に寄り添いながら本来の自分を取り戻すかは、私たち自身の手で選択できます。
最後、ドラァグクイーンとして舞台に立つ孫と、「老い」た祖母が過去の自分を抱きしめる姿は圧巻。2021年に94歳でこの世を去ったクロリス・リーチマンの名演が光ります。
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『ジャンプ、ダーリン』
1/19(金)ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国公開
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(文/fumumu編集部・尾藤 もあ)