「海外留学がしたい」 パパ活に手を染めたオペラ歌手の末路
“交際クラブ”の運営会社で面接官の経験があるパパ活ウォッチャー・cocoが「パパ活の裏側」をお伝えします。
“交際クラブ”の運営会社で面接官の経験があるパパ活ウォッチャー・cocoが「パパ活の裏側」をお伝えする連載コラム。
今回は、「海外留学がしたい」と、交際クラブでパパ活を始めたオペラ歌手志望のSさん(32歳)の話。
■きっかけはスカウト
Sさんが交際クラブに登録したのは、音大の声楽科に通っていた大学3年生の時。「きっかけはスカウトでした。コンサート帰りに渋谷をぶらぶらしていたらモデルにスカウトされて。そのまま路上で詳しく話を聞いてみたらAVとかグラビアだったのでお断りしたんですけど、それなら風俗ならどうだって口説かれたんです」。
風俗も無理だと断ると「それなら愛人はどう?」と交際クラブの話をされたそうです。「交際クラブなんて知らなかったから、愛人を斡旋するようなサロンがあるなんて衝撃的でした。音大で声楽やってるって言ったら“お嬢様なんだね”って妙に感心されて。そのキャラならお茶や食事だけでも稼げると思うよって言われて、ちょうどイタリアに留学したいなって思ってた時だったから、パトロンができたらいいな、って甘い考えで登録しちゃたんです」。
実際に紹介された交際クラブに面接に行くと、男性と顔合わせをすると交通費で1万円もらえると説明があったものの、男性会員は基本的に肉体関係を求めていると仄めかされたそうです。
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■処女を50万円で売る
当時、処女だったSさん。「同じ大学になんとなく良い感じの先輩はいたんですけど、具体的に付き合うとかじゃなく、自分にはそういう行為はどこか遠い世界のことのように思ってたんです。交際クラブの人に“男性は最終的には性行為のできる愛人を求めてます”って言われても、海外とかだと芸術家に純粋なパトロンがつくのって当たり前にあるから、男性の年収が5000万円以上の交際クラブなら、海外同様、文化的に成熟した男性もいるだろうと思ってたんですよね」。
ところが、実際にオファーが入ってみると、男性は初回からホテルに誘う人ばかり。「最初はお茶や食事をしながらパパを探そうと思ってたけど、やっぱり肉体関係を持つ愛人にならないとパトロンにはなってもらえないんだなって、現実を突きつけられました」。
交際クラブに登録して半年で20人近くのパパと会い、ようやく「この人なら…」と思える男性と知り合ったSさん。
「62歳と父親以上の年齢の方でしたけど、クラシックに精通していて、若い頃はパリで仕事もしていたという自営業の男性です。その人は初回からホテルに誘うようなことはなかったし、時間をかけて私を知ろうとしてくれたので信頼できるなと思いました」。
肉体関係を持たないデートを3ヶ月ほど続けたある日、パパから「処女を50万円で買いたい。その後は定期的に関係を持ち、毎月サポートする。いずれ留学の時が来たら、その時は全面的にサポートしたい」と申し出があったそうです。
Sさんは迷いながらも承諾し、そこから月4回で20万円という愛人関係がスタートしました。
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■クラブ歌手のアルバイト
「パパは毎月のお手当をくれるだけでなく、コンサートやバレエ、オペラなど毎週のように連れて行ってくれました。付き合い始めた記念に1週間フランス旅行にも連れて行ってくれて嬉しかった。でも、パパの紹介で銀座のクラブで歌うようになってから、段々疲れてきちゃったんです」。
知り合ったばかりの肉体関係を持たないデートをしていた頃から、パパに銀座のクラブに連れて行かれていたSさん。そこで周りの女性に「この人はオペラ歌手の卵なんだよ」と嬉しそうに自慢するパパを微笑ましく思っていたそうですが、ある時、ショッキングな事実を知ってしまいます。
「ママから週に1回で良いからと日給5万円でピアノの弾き語りをするようになったまでは良かったんです。でも、ある時、女の子たちが私がパパに処女を50万円で売ったとか、愛人だとか噂してるのを控え室の前で聞いてしまって。信じてたのに、そういうことをベラベラ話す人だったんだ、ってガッカリしたし、プライドも傷つきました」。
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■プライドが傷ついて目が覚めた
その一件からパパに対して不信感や嫌悪感を抱くようになったSさんは、最終的に大学を卒業する前にパパとお別れし、大学院に進んだ後、一般企業に就職しました。
「悔しいけど、良いパトロンと出会えないってことは、結局自分に実力がないからだっていうことがよくわかったんです。うち弟が2人いるし、私だけいつまでも親のスネを齧り続けるわけにもいかなかったですしね」と当時を振り返ります。
素敵な独身男性と人と知り合っても、パパ活の過去があるから自分が汚れて見えると話すSさん。「それなりに幸せですよ」と言いますが、「50万円で処女を売った女」「お金で好きでもない男性と関係を持った女」である過去は消せないと、後悔しきりなのでした。
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(文/fumumu編集部・coco)