ジャニー喜多川による性加害を告白した服部吉次氏、“再発防止特別チーム”のヒアリング予定

「ジャニーズ性加害問題当事者の会」副代表・石丸志門さんが取材にて、ジャニー喜多川から受けた被害を告白した服部吉次さんと対面したことを教えてくださいました。

服部吉次・石丸志門
(左:服部吉次さん 右:石丸志門さん)

14日、ジャニーズ事務所が設置した「再発防止特別チーム」に、「ジャニーズ性加害問題当事者の会(JSAVA)」代表・平本淳也さん、副代表・石丸志門さんがヒアリングを受け、その後記者会見を開きました。

15日、取材に応じてくださった石丸さんは、ヒアリングを受けたあとの心境のほか、ジャニー喜多川からの性加害を告発した俳優・服部吉次さんと初対面を果たしたことを伝えました。


■再発防止特別チームに国連「透明性と正当性に疑念」

5月26日、ジャニーズ事務所では外部の専門家による「再発防止特別チーム」を設置。翌月に開いた会見では、規模感や中間報告の有無など不透明なことが多く疑問の声も寄せられていました。

そして今月4日、国連人権理事会の「ビジネスと人権」作業部会による会見では、“再発防止特別チーム”について「その透明性と正当性に疑念が残っています」「メンタルケア相談室の精神衛生相談を希望する被害者への対応は、不十分だという報告もあります」話し、「透明な調査と実効的な救済を確保すべき」と訴えています


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■「再発防止」には前向き 被害者救済は…

――ヒアリングまでの経緯と、会話をしたあとの率直な感想をお伺いできますか。

石丸:ヒアリングは、再発防止特別チームの事務局よりブログへアクセスがありました。事務局となっている弁護士事務所が、本当の事務局か当会のメンバーに確認の上正式な事務局であることを確認し、書かれていた宛先にメールをした…という経緯です。

ヒアリングで話した内容は、自分の入所以来の性被害を含む履歴やその後のことを約2時間に渡ってお話しました。

「再発防止」という観点では、前向きな意見をいただいたと思いますが、ジャニーズ事務所との直接的なやりとりをお願いする…というところまでは至っていません。温度感は国連とは随分違い、被害者救済については考えていないと感じました。


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■「当事者の会」に新メンバー

また、今回の会見では「ジャニーズ性加害問題当事者の会」の8人目となるメンバーも紹介されました。1998年から2000年までの3年間、ジャニーズJr.として活動していた、現在38歳の大島幸広(おおしま・ゆきひろ)さん。

性行為の経験もないなかで性加害を受けたことを明かし、「ジャニーズ事務所を退所して23年間、心に深い傷を負いながら、今まで必死で生きてきました」と話します。

退所してから今もなお、日常のなかで突然当時の状況を思い出すことがあり「心の傷とともに過ごしてきた」という大島さん。思い出さないように、しまいこむように生活しているなかでも出てくることは避けられず、1週間ほど気分が悪い状態で生活。また“普通”の生活を過ごしていると突然思い出し…の繰り返しであることを告白。「性被害という私たち同様の被害者をつくりたくない」「性被害を少しでもなくしていければ」と思いを語りました。


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■被害の告白をした服部吉次さんと対面

――15日には、ジャニー喜多川からの性被害を告白した俳優の服部吉次さんと初対面を果たしたそうですね。

石丸:「今後よろしくお願いします」とのご挨拶に伺いました。もともと「JSAVA」発起人でもある二本樹顕理が、服部さんとメールでやり取りしていました。15日に、服部さんが創立メンバーでもある「劇団黒テント」の公演があるということで、中村一也が車を出してくれて伺いました。

お会いした際には、メモがなくて詳細は覚えていないとのことでしたが、“再発防止特別チーム”とお会いになる予定だと伺いました。

***

俳優の服部吉次さんは、「東京ブギウギ」や「青い山脈」など多くのヒット曲を生み出した作曲家・服部良一さんの次男です。

先月15日、服部さんと同級生で友人の松﨑基泰さんが都内で会見を開き、ジャニー喜多川から性被害を受けたことを告白 。 現在78歳の吉次さんが性被害を受けたのは、70年前。8歳のころから2年半ほどつづいたため、性被害は100回ほどではないかと話しています。

この告白により、ジャニー喜多川がジャニーズ事務所創設のはるか前から、さらに家族ぐるみで付き合いのある関係にも関わらず、性暴力を働いていたことが明るみになりました。近日、服部さんがヒアリングを受け、再発防止特別チームはジャニーズ事務所側にどう伝えるのか、事務所はどう動くのか、引き続き注視していきます。


【長谷川 瞳】
「fumumu」編集長。ラジオ番組を主に、放送作家歴20年超え。そのほか、テレビ局の派遣社員・広告代理店での勤務も経験し、ウェブ業界へ。

かつてのストレス発散法は新橋かゴールデン街へ繰り出していたが、今や愛犬(ポメラニアン)の“犬吸い”により、精神が保たれている。

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(文/fumumu編集部・長谷川 瞳

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