引退宣言は本当なのか? クエンティン・タランティーノ監督のドキュメンタリーから真実を探る

本人は出演しないのに、より本人がわかるドキュメンタリー『クエンティン・タランティーノ 映画に愛された男』が8月11日公開。

『クエンティン・タランティーノ 映画に愛された男』
(©2019 Wood Entertainment)

10作目で引退を宣言しているクエンティン・タランティーノ監督。その真実に迫るドキュメンタリー『クエンティン・タランティーノ 映画に愛された男』が、8月11日から公開になります。

とはいえ、本作にタランティーノ監督本人は登場しません。代わりに、ジェイミー・フォックス、サミュエル・L・ジャクソン、ダイアン・クルーガーなど、タランティーノ監督作品に携わった豪華俳優陣やスタッフが、タランティーノ監督について語る構成になっています。

はたしてクエンティン・タランティーノという奇才は、どんな人なのでしょう?


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■気鋭の監督が奇才の監督を撮る

8月11日公開の『クエンティン・タランティーノ 映画に愛された男』を手がけたのは、気鋭の女性監督タラ・ウッド。

タランティーノ本人が登場しない、ドキュメンタリーとしては少々変わった作風になったのは、「彼がどういった人物かということを忠実に伝えるために、ナレーションを一切入れないで、代わりに俳優たちに話をしてもらおう」と思ったから、とウッド監督。その結果、「タランティーノについて、より多くのことがわかったと思います」と語ります。

『クエンティン・タランティーノ 映画に愛された男』
(©2019 Wood Entertainment)

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■映画に愛された男のルーツ

『クエンティン・タランティーノ 映画に愛された男』
(©2019 Wood Entertainment)

1963年3月27日、アメリカ生まれのクエンティン・タランティーノは、映画監督を目指し、高校を中退後、ビデオ店に勤務していたのは有名な話です。

その間に書いた脚本が映画化され、得た資金を元に、1992年、宝石強盗を実行しようとする男たちを描いた『レザボア・ドッグス』で監督デビュー。同作は各映画賞を受賞し、タランティーノの名を世界に知らしめます。

本人は、タイトルにあるように「映画に愛された男」でもありますが、実際は映画と相思相愛の「映画を愛する男」で、CGを使わないなど、昔ながらの撮影法にこだわるマニアックさも魅力なのでしょう。


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■奇才は本当に引退してしまうのか?

そんなタランティーノ監督は、長編映画を10本撮ったら、映画監督から引退すると宣言しているそうで、その10作目は、今年2023年の秋ごろから撮影がはじまるといわれています。

『クエンティン・タランティーノ 映画に愛された男』では、1作目の『レザボア・ドッグス』から、9作目にあたる『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』(2019年)までの撮影秘話が語られていて、なぜタランティーノが「奇才」と呼ばれるか、その理由がどことなくわかるような気がするのです。

個人的に、以前ジェイミー・フォックスのオススメ作としてご紹介した『ジャンゴ 繋がれざる者』(2012年)はタランティーノ作品ですが、なぜフォックスが「寡黙」なキャラクターになったか、フォックス自身が語るエピソードに思わず膝を打ちました。

はたしてタランティーノ監督は、本当に引退してしまうのか、本作を観ればその答えが隠されているかもしれません。

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(文/fumumu編集部・尾藤 もあ

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