性犯罪者が“トランス”と性自認する数は通常の「2倍」 国の調査で明らかに
国内でも取り上げられる「性自認」に関する問題。イギリスの刑務所が直面している現状とは…。
共用トイレをはじめ、性自認関連の問題が取り上げられる昨今、イギリスでは刑務所にて「トランスジェンダーを偽る」受刑者が問題となっています。
『Daily Mail』など海外メディアが報じました。
■「トランス」と性自認する受刑者たち
イギリス政府が行なったある調査によると、性犯罪で収監された男性受刑者は、ほかの犯罪歴を持つ受刑者の“約二倍”「トランスである」と性自認することが明らかとなりました。
調査によると、イングランドとウェールズの刑務所に服役する、戸籍上男性の「トランスジェンダー」と性自認する受刑者168名のうち、6名は女性刑務所に服役、残り162名は男性刑務所に服役しているとのこと。
また、そのうち合法的に性別を変更したのは11名であるといいます。
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■ほかトランス受刑者が憤りをあらわに
この現状に対し、トランスジェンダーである受刑者は、ほか受刑者によって「トランスの偽り」が行なわれている可能性がある、と憤りをあらわに。
一部の男性性犯罪者が「新たなアイデンティティ」を偽ることに対し、懸念の声が高まっています。
なお、この調査結果は、性犯罪で服役中の男性受刑者への聞き取りを通じ行なわれたもので、刑務所雑誌「インサイド・タイム」で明らかとなりました。
■「偽りのトランス」による影響を危惧する声
調査を担当したサラ・フリス氏は、同誌の取材に対し「調査は『本物のトランスジェンダー』がどうか証明するため、いくつか関連テーマに基づき行なったが、対象となった受刑者たちのほとんどが本物かどうか疑わしい」と見解を示します。
またほか関係者によると「ほか受刑者からは『偽りのトランス受刑者によって、性別移行中の受刑者への評判や、拘留中における制限などに影響を及ぼすのでは…』」といった危惧する声も上がっているようです。
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■「これは刑務所の話だけでない」の声
また別の調査では「トランスジェンダーであることが性犯罪を犯すリスクがあるのでは」という声に対し、ほとんどのトランス受刑者がこの見解を否定。
ある受刑者からは「“女性らしさ”に対する『嫉妬』が犯罪の動機になった」といった声も。
別の受刑者からは「性同一性障害が犯罪そのものに直結しているのではなく、本物の性自認を抑圧することが引き金になることがある」と語る声もあるようです。
今回の報道に対し、読者からは驚きの声のほか「これは刑務所の話だけでなく、女性スポーツ界また女性がいる分野すべてに当てはまる」といったコメントが寄せられています。
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(文/fumumu編集部・黒木 ゆず)