日本人女性も被害に… 中国人が痴漢動画を販売 BBCが報じるも現地では「発禁」

BBCの取材で暴かれた「動画サイト」の管理人。その正体に批判が集まるも…。

スマホを触る男性

イギリスの公共放送・BBCニュースが9日、日本で撮影・入手した「痴漢動画」をネット上で販売する中国人について取材を行ったドキュメンタリーを公式YouTubeチャンネルに公開しました(日本語字幕版は1日早い6月8日に「BBC News Japan」にて公開)。

そのショッキングな内容が、中国ネットユーザーの間でも話題を呼ぶも、中国のネット上でこの話題は既に「禁止事項」になっており、更なる批判が寄せられています。


■痴漢動画が1本1ドル前後で

「痴漢動画の闇サイトを暴く 売られる性暴力」というタイトルで公開された51分49秒の動画に収められていたのは、痴漢をテーマにした性風俗店への取材、痴漢加害者が現行犯で逮捕される様子などショッキングな映像。「東アジア各地の公共の場で女性が痴漢に遭う様子を撮影した動画が、オンラインで大量に販売されている」という告発が行われました。

動画いわく、あるWebサイトで販売されているのは、様々なシチュエーションで撮影された成人向け動画です。

なかでも取材班が注目したのは、男性が女性を背後から盗撮しながら電車に乗り込み、数秒後に痴漢行為を働くというもの。物によっては女性の衣服に射精した直後の画像を掲載した悪質なものも見受けられました。こうした生々しい動画が、1本1ドル前後の値段で販売されているのです。また、これだけでなく同じような内容のサイトも存在も紹介されました。


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■ポルノサイトを作る人たちの正体

これらのサイト利用者は、メッセージアプリ「テレグラム」のグループチャットで情報を交換しあっているのだそう。登録者4000人にもなるグループでは、日々どのように女性に性的暴行をすればいいのか、どうしたら痴漢がバレないかなどコツやアドバイスを日々共有しているようです。

そんななか、取材班一連の痴漢動画サイトに繰り返し登場する「「齊叔」(チおじさん)というユーザーに辿り着きました。コミュニティでは師匠扱いをされ、まるで神のように崇められているこのユーザーは一体誰なのか。

この「チおじさん」と一緒に痴漢行為をし動画を作成した人物がいると知った一行は、写真解析や送金先に結び付いたアドレスから中国生まれで東京在住の30歳の男性「ノクティス・ツァン」を特定します。

「The Versus(ザ・ヴェルサス)」というメタルバンドでボーカルを担当しているこの男性は、2022年初めに「ポルノサイトを作っている」とバンドのカメラマンに中国版ツイッター「Weibo」で告発されていた過去がありました。


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■1日10万~20万の売り上げ

その後、BBCの取材チームの1人が音楽業界のタレントスカウトになりすまし「イアン」と名乗り長期にわたって「ノクティス・ツァン」に接触。

何度か食事を重ね「自分はポルノサイトに投資したい。こういう類のビジネスについて知っていることはないか」と話を持ち掛けた所、「マオミ」という友人の名を口にします。この「マオミ」こそが「頂不住」のサイトオーナーだというのです。

紆余曲折ありようやく「マオミ」に接触した記者はついに彼が「チおじさん」であることを突き止めました。27歳だと語る青年が運営するポルノサイト「頂不住」の売り上げは1日10~20万円、彼の下には15人のチームがいて、そのうち10人は中国で「チおじさん」の名前を使い、動画を作っているのだそう。

「マオミ」は彼らから毎月30~100本の動画を受け取ると、ポルノサイトで販売するのだと何食わぬ顔で説明しました。時は薬物を使った性的暴行もカメラに収め、サイト上で販売しているとも語っています。


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■取材班が正体を明かすと…

記者が「投資の資金はどこに送ればいい?」と問いかけると、「マオミ」は銀行のキャッシュカードを取り出します。そこには「タン・ジュオラン」と、彼の本名が記載されていました。

後に記者がBBCを名乗り、正面から彼に取材を試みたところ「マオミ」は顔を隠し反対方向に歩いて行ったかと思いきや、なんと突然カメラマンや撮影スタッフに暴力を振るい始めたのです。なんとか逃げ切った取材班一行はその翌日、空港で日本から脱出する「マオミ」を目にしたと映像付きで報告しています。

なお、現在も「マオミ」が運営する「チおじさん」のツイッターアカウントはまだ生きており、いつものように更新が行われているとのことです。

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