「ミュージシャンだったんだよね」 アプ活で会った男性の過去 そして…送られてきた歌詞

マッチングアプリにどハマり中のモノマネ芸人・小出真保が、アプ活で出会った人とのアレコレを吐き出します。

婚活ダイアリー アイキャチ

リアルな体験談や心境をポップに時にダークに伝えていく『全力! 女芸人小出真保の婚活ダイアリー』。

オーソドックスアプリでマッチングしたのは医療関係のお仕事で身長も高く、見た目は4割坂口健太郎の彼。ですが、目黒川をひたすら雨の中ぐるぐると3時間歩かされ、非常に怪しい雰囲気に。

やっと入ったファミレスで初めて真正面から彼を見たのですが、この人…なんだか目が怖い。私のマッチングアプリ史上1番の恐怖体験、続きです…。

これまでのエピソードはこちら


■「観察していたんですよ」

雨の中、目黒川をぐるぐる周り、やっと入った場所はファミレス。そして、目の前に座った彼の目の瞳孔が開き、こう言いました。

「僕、人間不信なんですよね」。今から何が始まろうとしているんだろう。冷えた体が震え出す。「だからさっき、ずっとまほさんのこと観察していたんですよ」。え、さっきの目黒川ぐるぐる3時間。私、観察されてたの? 今から観察した結果発表されるってこと?

「まず、まほさんの特徴として、急に黙ったと思ったら、話し出したりしていて怪しかった」。いや、それ普通でしょう。初対面だしまだ距離あるんだからみんなそうなるでしょう。特徴とかじゃない。「あとは…」と続ける彼。まだ何か言われるの?

注文したコーヒーゼリーがテーブルに置かれました。空気を変えたい…。「とりあえず食べましょうか♪」と明るく振る舞いました。「いただきます♡」楽しい雰囲気にして早く帰ろう。笑顔でコーヒーゼリーを口に運び「おいしー!」と言っている私を、彼は見逃しませんでした。

「良くも悪くも芸能人だなぁ!」 怒ってる…。なに? 良くも悪くも芸能人って、どういうこと? 「わざとらしいんだよね、カメラ回ってる感じで話してるっていうか芸人って感じにしてる。本当には美味しいとは思ってなさそう」。

そんなふうにやってないし! やってるとしたら恥ずかしいし! 食レポの練習をここでするか! こいつ、何でこんな突っかかってくるんだ? この後も、何か話すたびに「わざとらしい」笑顔になるたびに「嘘っぽい」など言われ、あれ? これ今、人狼ゲームしてる? 私、狼だっけ? と、錯覚してきました。もう目を見て話すのが恐くなり、私は下を俯いていました。


関連記事:アプ活で出会ったバツイチ男性がまさかの行動 閑静な住宅地で絶叫する事態に…

■支離滅裂さに恐怖

それにしても、こんなに追い込んでこなくても…。腹が立ってきました。私も黙ってばかりはいられません。彼にこう言いました。

「そんなふうに初対面の人に色々言わなくてもいいじゃないですかぁ」。非常にまともなことを言ったと思います。しかも私は感情的にならないように言いました。ですが、心の中では、さあ、こいよ、喧嘩してやろうか? 色々言われすぎてそんな気持ちになってきていました。

が突然、彼は静かになり「バツイチなんだ。女性を信じられないんだ」と、カミングアウトしてきました。私は、そうなんですねと返すも、バツイチだと人を追い込むようになるのか…? バツイチだと勝手に人狼ゲームやっていいのか?

「でも、羨ましい」と彼。色々と突然言ってくるのが癖らしい。羨ましいとは…? 彼の顔をおそるおそる見ると、さっきとは全くの別人になったかのように急に柔らかい表情になっていました。

「羨ましいんだ、まほさんが」。この人、もしかして二重人格? 支離滅裂すぎる。私は思わず「なんで?」と聞き返しました。すると、また謎のカミングアウトをしてきました。


関連記事:アプ活で会った“カジュアル男”から聞いた、“カジュアル女”の実態に衝撃

■ミュージシャンだったんだよね、僕。

「僕も、表現者だったんだ、よく曲を書いて歌ってた、ライブハウスや路上で。お客さんもいてさ」。そうくるか…。ミュージシャンだったというワードがくると思っていなかったので、私の脳みそは追いついていませんでした。

「でもさ、好きを仕事にしちゃうと辛くない? 僕は嫌いになったんだ、音楽を」 淡々と語り出す目黒川3時間男。「本当は、ただ好きだっただけなのに、愛してただけなのに、なんで嫌になっちゃったんだろう」「そのままで良かっただけなのに、そのままの僕で」。脳内で情熱大陸エンディングテーマソングがかかってきました。めちゃくちゃ語ってる彼。

「まほさんも、そう思うことない? ずっと純粋な気持ちで好きってことはないと思うんだ」 確かに…。彼の言ってることはまあ間違ってはいない。そのことに関しては「たしかに、気持ちはわかります」と言いました。彼とほんの少しだけこの瞬間は分かり合えたとは思います。そして、私を見つめこう言いました。

「今度、曲書くからさ、聞いてよ」 結構です、と言える空気ではなく「わかりました」と伝え、やっとやっと解散の雰囲気になりました。やったー! 終わったー! 地獄だったー! と思いきや、お会計でまた追い込んでくるのです。

レジに向かうときに、彼はお会計伝票を手に取りませんでした。あえてそうしているようでした。なので、私が取ってレジに向かい店員さんを呼んでいると「飯活じゃないですよね?」「マッチングアプリ飯活多いから、ほんとにそれがいやで」。

飯活じゃないし! あとね、コーヒーゼリーしか食べてないしね、怖くて味もしなかったし何よりそんなことわざわざ言うか? マッチングアプリでの飯活トラウマ抱えてる人ってわりと多いのですが、こんな風に言われると気分は良くない…。割り勘ですぐ解決しましたが、目黒川をぐるぐるした1番の理由はお金を使いたくないからだったとは。

時計を見ると23時でした。私は結局、ファミレスに4時間もいたようです。

続きを読む ■帰り道での奇行

人気の韓国パック『メディヒール』 11種類 X 各2枚の全22枚セット【Amazonでチェック】