世界を変えるために自分ができることは? バンクシーの生き様から考える

正体不明のアーティストを追うドキュメンタリー映画『バンクシー 抗うものたちのアート革命』が5月19日から公開。

バンクシー
(©︎ Spiritlevel Cinema Ltd.)

謎のグラフィティアーティスト、バンクシー。イギリス、ブリストル出身といわれるこのアーティストの人生は、いまだ謎に包まれています。

そのバンクシーを少年時代から知る人や、共に活動してきたアーティストたちへのインタビューから、バンクシーの真実に迫るドキュメンタリー『バンクシー 抗うものたちのアート革命』が5月19日より公開。「犯罪者」でもあり「革命家」とも称されるバンクシーが、アートを通じて訴える叫びに耳を傾けてみましょう。



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■「バンクシー」とは何者なのか?

バンクシー
(©︎ Spiritlevel Cinema Ltd.)

街中の壁や、橋などに「イラスト」を描き残し去っていく、神出鬼没のアーティスト、バンクシー。その「イラスト」は、公共のものに描かれるため、明らかな「犯罪行為」になるのですが、メッセージ性があり、観た者の心を捉える彼の作品は、いまや一流の「芸術品」として扱われています。

一般的なアーティストなら、自身の作品が世に出ることを喜び、自分がその作者だと名乗りを上げるものですが、バンクシーは真逆。5月19日公開のドキュメンタリー映画『バンクシー 抗うものたちのアート革命』では、未だ正体を明かさないバンクシーの真の姿に迫っています。



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■被害者の出ない「犯罪」

バンクシー
(©︎ Spiritlevel Cinema Ltd.)

そもそもバンクシーの原点ともされるグラフィティ活動は、街中の公共の建物にイラスト(グラフィティ)を描く、つまりは「公共=社会への抵抗」の精神が根底にあります。

2001年にバンクシーが語ったところによれば、「私の”犯罪”では被害者は出ない」。

彼が未だに正体を明かさないのは、彼の作品の多くが、「犯罪」の上に成り立っているせいもありますが、彼自身の反逆精神を保ちながら、あれやこれやと多くを説明するよりも、たった1枚の「イラスト」にすべてを込めるほうが、メッセージの伝わる衝撃が大きいのを知っているからなのでしょう。



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■シンプルなメッセージ性

バンクシー
(©︎ Spiritlevel Cinema Ltd.)

例えば、バンクシーの作品に、赤いハート型の風船と少女を描いたモチーフがありますが、少女は戦争の傷跡が残るシリアの少女、風船は少女をそこから連れ出す希望を象徴しているともいわれています。

こうした反戦や反資本主義などの政治色が濃いバンクシーの作品は、子どもでもわかりやすく、正しいか間違っているかの判断が一瞬でできるシンプルさがあります。

自らを隠し、グラフィティを使ってメッセージを発信するバンクシーは、アーティストとして自分ができることをやっているのでしょう。その心意気に敬意を払うべく、私たち自身も、自分が社会に対してできることを考えてみるのもいいかもしれません。

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『バンクシー 抗うものたちのアート革命』

ヒューマントラストシネマ渋谷、シネ・リーブル池袋ほか、5月19日より公開

公式サイトはこちら

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(文/fumumu編集部・尾藤 もあ

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