「ジャニー喜多川氏はなぜ厳罰を受けなかったのか」 中田敦彦の説明で考えさせられる“日本の法律と性教育”

性加害疑惑のあるジャニー氏が、これまで“グレーゾーン”だった理由とは…。

中田敦彦

お笑いコンビ・オリエンタルラジオの中田敦彦さんが23日、自身のYouTubeチャンネルを更新。

ジャニー喜多川氏の性加害疑惑について取り上げ、日本の法律について説明。ジャニー氏がこれまで“グレーゾーン”だった理由を解説しました。

【動画】日本の「性同意年齢」と性教育の矛盾


■“告発”は1980年から

今回、イギリスの公共放送・BBCが取り上げ、カウアン・オカモトさんの告発で明るみになった、故ジャニー喜多川氏の性加害疑惑。

これまでもメディアに報じられなかっただけで、ジャニー喜多川氏から性被害を受けたという、いわゆる“告発本”は1980年代からいくつも出版されています。

今回、中田さんは動画で取り上げることについて、あくまでも性加害“疑惑”として取り上げること、自身の意見ではなくこれまでの出版物や出来事を元に「事実関係を検討するための情報整理」としての内容であることを伝えました。


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■中田、日本の法律に「非常に衝撃的」

動画終盤では、過去に児童との性的関係が認定されたにも関わらず、ジャニー喜多川氏はなぜ厳罰を受けなかったのか? という点にフォーカスを当てます。

これまで、告発本に書かれていた性被害を受けた年齢は11歳~15歳。中田さんは「日本の法律と性犯罪、これが非常に衝撃的」「性犯罪に関してアップデートがされなかった」と刑法について言及。

日本おいて性犯罪に関する刑法は2017年まで、明治40年につくられた「強姦罪」のまま。強姦罪の成立要件は、対象は女性のみ。つまり、少年たちが受けた性的被害については要件に当てはまらず、厳罰に至ることはなかった、と予想されます。


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■110年ぶりに改正された内容は…

また、中田さんは「もっと根深いのは、2017年に規定されている内容」と、“強姦罪”から“強制性交等罪”に刑法が改正された内容について説明。

110年ぶりに改正された大きな変更点は、性別は問わない/3年以上の懲役刑→5年以上の懲役刑。しかし、成立要件には「性交に暴行ないし脅迫を伴う」といったものがあり、中田さんは「つまり『拒否できなかった』というだけでは、成立しない」「断れないような状況に追い込まれていた…というものは“証拠不十分”で処理されてしまう」と解説しました。

※欧米では「同意の有無(性的同意)」にフォーカスされており、暴行や脅迫がなくとも、同意がなければ罪に問われます。


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■日本の性教育は「はどめ規定」

現在、日本における「性同意年齢」(性行為への同意を自分で判断できるとみなす年齢)は13歳。

時代の変化とともに年齢の引き上げをしている国も多く、アメリカでは16歳~18歳(州によって異なる)、イギリス・カナダでも16歳となっており、日本は明治時代から変更されることはなく、先進国のなかで最も低い年齢。つまり13歳以上は暴行や脅迫がない限り、罪に問えない…ということです。

また、中田さんは文部科学省が出した学習指導要領のなかにある「はどめ規定」について言及。

「はどめ規定」は、中学1年生の保健体育では妊娠をする過程を説明しない(性行為は取り扱わない)というものですが、中田さんは「妊娠する過程について学校で説明を受ける前の状況にある13歳が、“性行為に関して同意をする能力がある”という位置に立たされています。これが日本の法律です」と語りました。

※ユネスコ(国際連合教育科学文化機関)の国際的なガイドラインでは、性行為(妊娠の過程・避妊)についての説明は9歳~12歳が妥当とされています。

続きを読む ■「日本の性犯罪において立証が難しい」

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