「不倫の境界線」浮気とみなされるケースは法律的にどこから?
日々取り上げられる有名人の不倫報道。「不倫」について法律面から弁護士が解説します。
2018/04/14 16:00
近年、芸能人や政治家の方の不倫問題が、メディアで非常に多く取り上げられています。連日の報道に、またか…と思っている人もいるでしょう。
不倫の話題が収まったと思ったら、次は奥さん、旦那さんとの離婚問題に発展したり、過去の不倫について新たな暴露が始まったりと、次々とトラブルに発展してしまうケースもあります。
不倫には、大きなリスクと代償が伴うにもかかわらず、不倫をする人は多い。一方で、世界には一夫多妻や一妻多夫の文化もありますよね。
不倫がどうしていけないことなのでしょうか。また、不倫をすると法律的にはどんな代償があるのでしょうか。
■不倫・浮気とは?
どこからが浮気・不倫なのか、友達と議論したことはありませんか? 価値観は人それぞれ。手を繋いだら、キスをしたら、ふたりで出かけたら…様々な意見があります。
裁判では、基本的には、「夫(妻)以外の異性と肉体関係を持つこと」を不倫と定義しており、不倫をした場合には100~300万円くらいの範囲で、慰謝料の支払いを命じる判決が出ています。
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■どうして一夫一妻制なの?
日本も昔、ほんの120年くらい前までは、一夫多妻制の国でした。江戸時代に入ってきたキリスト教が一夫一妻制を重んじることに影響されたと言われています。
それまでは、男性が妻以外の女性と関係を持つことを許されていましたが、逆に、妻が夫以外の男性と関係を持った場合には、懲役刑を受けることもありました(姦通罪)。
文明社会の発展とともに、両性を尊重し、一人ひとりの結びつきを大切に扱うようになっていったのです。
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■不倫をするとどんな代償があるの?
不倫をすると、慰謝料として、多額の金銭の支払いを請求されるおそれがあり、裁判上の離婚原因にもなるため、家族や家を失い、子どもと離れ離れになってしまうかもしれません。
中には、周囲に不倫がばれ、友人を失ったり、社会的な信用がガタ落ちしたりすることもあります。
金銭的にも、精神的にも、大きなものを失う可能性があるでしょう。
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■不倫・離婚は増えている
ただ、それでも、離婚や不倫の事件は増え続けています。
裁判所の統計を全体で見ると、事件の数自体は年々減っていますが、離婚問題など、家庭裁判所で行われる家事事件の割合だけは、年々増えているのです。
今、日本では、3組に1組の夫婦が離婚しています。
女性の社会進出が進み、一人でも経済的に自立して生きていけるような時代になったことは、離婚が増えている原因のひとつとも考えられています。
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(文/松下 真由美(弁護士))